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Project TAMPAー英国国防省が予算500 万ポンドを投じ、軍用部品の3Dプリンティング製造を促進

Markforged社の3Dプリンター「X7-FE」を使用する英軍兵士たち。出典:Markforged社.

英国国防省は2022年9月、英国軍による3Dプリントされた軍用部品の購入量を増やす「Project TAMPA」の正式な立ち上げを発表した。プロジェクトは最長で7年間継続され、費用は300万~500万ポンドの見込みだ。(画像はMarkforged社の3Dプリンター「X7-FE」を使用する英軍兵士たち。出典:Markforged社)

3Dプリンティングで防衛を支える軍用補修部品を生産

Project TAMPAには、3Dプリンティングを活用することで、防衛のための軍用品生産や供給にかかる時間の削減や、旧式で調達が困難な部品の製造といった問題について、迅速な対応体制を整えることが狙いとなっている。既に国防省と関係があるサプライヤーに限定して新たな契約を結ぶ予定のようだ。

英国国防省はこれまで、3Dプリンター活用し3Dプリントされた爆発物の開発プロジェクトもすすめてきた。
複雑な形状も容易に造形できる3Dプリンターなら、これまで以上にエネルギー効果を得られるデザインの爆発物を開発することも可能だ。戦地で展開されるミッション中に、現場での活用に適した形状の爆発物を3Dプリンターによって現地で生産することで、輸送および材料保管などのコストを大幅に削減することがプロジェクトの目的として掲げられていた。

英国はロシア、インド、中国、米国に次いで、世界で 5 番目に軍事支出の多い国だ。Project TAMPA においても、3Dプリンターを積極的に活用させる。1ポンドが167円程度(2022年10月20日現在)の相場なので500万ポンドは年間8億円程度、円安を考慮すると3割減の6億円程度の財源ということで、今後の拡大を見据えた試験的な取り組みという位置づけだろう。

他国の防衛における3Dプリンティング活用

アメリカ軍では陸軍、海軍、海兵隊、空軍といったすべての軍隊で3Dプリンターが導入されており、全世界に展開している部隊への車両整備用部品や電子装備品のアタッチメント、旧式化して調達困難な部品の再供給などに使用されており、補修部品を現地製造した際のメーカー側への報酬の支払い方まで整備されているという。

SPEE3D社の大型金属3Dプリンター「The-Warp-SPEE3D」-出展:SPEE3D社

SPEE3D社の大型金属3Dプリンター「The Warp SPEE3D」-出典:SPEE3D社

また、アメリカ海軍においては強襲揚陸艦の「USS Essex」にはアメリカのOA機器メーカーであるXerox 3D社製の3Dプリンターが設置されている。アメリカ海軍の軍事演習「MaintenX」においては、オーストラリアの3DプリンターメーカーであるSPEE3D社製の金属3Dプリンターが採用されている。MaintenXにで活用される3Dプリンターの「WarpSPEE3D」は、直径1000mm×700mm、重さ40kgの大型パーツや複数のパーツを一度にプリントすることが可能だ。

SPEE3D社によれば従来の3D金属プリントよりも造形速度が100~1000倍高速であるとし、同社は産業品質の金属部品をどこからでも数分で製造できる、最も手頃な価格の金属積層造形プロセスだと主張している。

ドイツではセンサー製品を開発するHENSOLDT社が、さまざまなタイプの敵の防空レーダーに対して電波妨害を行うシステム「Kalaetron Attack」のフィールドテストを成功させた。「Kalaetron Attack」のシステムには、金属3Dプリンターによって可能となる電子部品が用いられている。まだテスト段階であるものの、近い将来には軍事採用されるだろう。

フランスの3DプリンターメーカーのHandddle社製品もフランス空軍に採用されている。

海外では主に航空・宇宙・軍事分野において、政府主導で3Dプリント技術を用いるプロジェクトが盛んに行われている。日本では防衛産業は海外調達が増え、国内サプライヤーの撤退もあるが、諸外国のように政府主導で官民一体となったプロジェクトを行っていけば、海外に比べ遅れている3Dプリント産業の活性化にもつながるのではないだろうか。今後も海外、日本における3Dプリント活用の動向を追っていきたい。

ShareLabNEWSでは、これまで世界各国のさまざまな3Dプリント活用事例を取り上げてきた。今回のような軍事関連の情報は以下にまとめてあるので、ぜひ参照してほしい。

https://news.sharelab.jp/?s=%E8%BB%8D%E4%BA%8B

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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