有料3Dプリントモデル用マーケットプレイスを開始 ― PRUSA RESEARCH社
2023年12月中旬、チェコの3DプリンターメーカーのPrusa Research社は、3Dプリント可能なモデルマーケットプレイス「Printables Store」を立ち上げた。クリエイターが作製した3Dファイルをウェブサイト上で直接収益化できる。(上部画像は「Printables Store」のプロモーションバナー/出典:Prusa Research社)
「Printables Store」の特徴
「Printables Store」では、クリエイターは自身が作製した3Dプリント用の3Dファイルが購入された際、その金額の大半を得られる。手数料として「Printables Store」に20%、それに加えて通貨換算やサードパーティの支払い処理システムからの支払い手数料などの外部手数料が発生する。
有料で3Dファイルを販売する「Printables Store」では高品質なモデルを提供できるよう、クリエイターが守らなければならないルールを設けている。たとえば、クリエーターがオンラインストアにアップロードできる有料モデルは、最初は1つだけで、販売を完了すると、より多くのスロットが利用できるようになる。
クリエイターは、合計50回の売上を達成すると、モデルファイルのスロットを無制限にアンロックできる。
高品質で高度なデザインを奨励するため、1モデルあたりの最低価格は5ドル(約750円)だ。
Prusa Research社では、「Printables」という無料で3Dファイルがダウンロードできるサイトも運営している。「Printables Store」に5ドルの最低価格設定があるのは、「Printables」との区別化を図るためだという。
「Printables」については、過去にShareLab NEWSで詳しく取り上げているので、以下の記事をご参照いただきたい。
Prusa Research社では、「Printables」と「Printables Store」を完全な別コンテンツと捉えており、「Printables」を無料モデルのライブラリから有料プラットフォームへと移行させようとしているわけではないと発表している。
実際に、ユーザーが有料と無料のコンテンツを混在して閲覧することがないよう、「Printables Store」はトップメニューの完全に独立したタブに存在している。
有料コンテンツを販売する「Printables Store」の立ち上げは、Prusa Research社のサブスクリプションサービス「Printables Clubs」の導入に続くものだ。
「Printables Clubs」は定期的に新しいモデルを公開するクリエイターに向いているのに対し、「Printables Store」はモデルを公開する頻度が少ないクリエイターに適したサービスだという。
ただし、すべてのモデルは両方のプラットフォームで利用可能で、ユーザーは1回限りの購入かクラブ・メンバーシップでの継続課金かのいずれかを選択できる。
さらに、「Printables Store」では、クリエイターがデータを販売する際に付加できるさまざまなライセンスオプションを提供している。
たとえば、「標準デジタルファイルライセンス」では、モデルと3Dプリントパーツを個人的な使用が、「商用利用ライセンス」では、修正バージョンを含む実際に造形した3Dプリントモデルの販売が可能だ。そして「商用利用派生ライセンスなし」では、修正や変更を加えていない3Dプリントモデルのみを販売することができる。
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今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中から3つピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。
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