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Formlabs社がSLA方式3Dプリンター用の新材料、静電気散逸性の「ESDレジン」の販売を開始

アメリカのマサチューセッツ州に本社を構え、日本にも東京都品川区に拠点を構えるFormlabs社が既存のSLA方式3Dプリンター用の新材料である「ESDレジン」の販売を開始した。静電気散逸性という特徴を持ち、電気・電子部品の製造現場での活用が期待される。

Formlabs社のESDレジン(出典:Formlabs)

静電気散逸性について

静電気放電(ESD)は、敏感な電子機器や部品を扱う現場においては大きな問題となる。静電気が電気・電子部品に流れこんでしまうと、回路の基盤や半導体の損傷や誤作動につながることがあるからだ。今日では、ほぼすべてと言ってよいほどの機械製品に電子部品が組み込まれているため、静電気放電による部品や機器の損傷リスクには十分に備える必要がある。

静電気放電による機器損傷リスクに対応するために重要となるのが、静電気散逸性という性質だ。静電気散逸性は電気を通さない絶縁の性質ではない。帯電した物体に触れると電流が流れるものの、その電流は表面を伝わるのみで、家電製品に付属している感電防止のアース線のように、電気の逃げ道となり接地点から静電気を逃がせる。つまり完全に電気を通さない絶縁体とちがい、電気を通す性質があることで、結果として静電気による事故を防げるものになる。

Formlabs社の「ESDレジン」は、静電気放電(ESD)対策ができる3Dプリンター用の素材というわけだ。

ESDレジンの採用が推奨されるシーン

静電気対策は、半導体の生産現場における工具や、保管・運搬用のトレイなど、さまざまなものに求められる。そして、多くのメーカーはそのような静電気対策製品の製作を外注している。そこで3DプリンターとESDレジンを導入すれば大きくコスト削減ができるだけでなく、一般的に2週間程度は必要とされる製作期間をわずか1日に短縮することも可能だ。

精密機器の製造現場では、それらを扱うための工具や固定具にも最適な寸法がある。従来の3Dプリント品では不十分だった寸法精度も、Formlabs社が特許を取得しているLFS(Low Force Stereotholigraphy)技術が搭載された3Dプリンターであれば積層の変形が最小限に抑えられ、より滑らかな表面の造形が可能になっている。

Formlabs社のESDレジンは基盤の保護につながる(出典:Formlabs)

ほとんどの機械メーカーの生産現場で活用できる

Formlabs社の3Dプリンターやレジンは、これまでもその寸法精度や材料の幅広さを理由に、世界中で多くの生産現場で使用され、製作費や製作期間の大幅な圧縮のきっかけとなっている。

今回のESDレジンの登場により、産業用か家庭用かに関わらず、幅広い機械製造業に対して生産現場におけるリスクを大きく減らし、ほとんどすべての機械メーカーの生産工程での導入が可能になり、あらゆる機械製造業がFormlabs社の3Dプリンターやレジンを使用する顧客となりうるかたちになった。

Formlabs社はESDレジンと同時に、新型の3Dプリンターの販売も開始した。従来品と比べて最大で40%造形スピードを高速化できる。さらには3Dプリンターでの造形後の後処理についても大幅な改善を行い、より効率的な造形が可能になっている。

3Dプリンターは進化し続けている。近い将来3Dプリンターが日本、ひいては世界の機械生産現場を支える存在として欠かせないものになるのは間違いないだろう。

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