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カリフォルニア大学バークレー校の学生が3Dプリンターで新型コロナウイルス検査用のモデルを作製

3Dプリンターで作製された型(出典:BMF Japan)

アメリカのカリフォルニア大学バークレー校の学生 Christos Adamopoulos 氏と同校の研究者である Asmaysinh Gharia 氏が、3Dプリンターを用いて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の抑制研究に使用するモデルを作製した。(出典:BMF Japan)

モデル作成にはBMF社製「microArch S140」を活用

今回、新型コロナウイルス感染症の抑制研究のために作製されたモデルは、BMF(Boston Micro Fabrication)社製の3Dプリンター「microArch S140」だ。

BMF社の3Dプリンター「microArch S140」

新型コロナウイルス感染症の抑制研究に使用するモデルは「多重マイクロ流体デバイス」と呼ばれるもの。

これは研究者が正常な生物学的プロセス、病原体又は薬理学的プロセスの測定や評価をするために、タンパク質の量などを調べ疾患の有無や進行状態を調べるバイオマーカーや生物学的特性の分析ツールとして 使用されている。

多重マイクロ流体デバイスは、1つのチップでさまざまな種類の検査ができる。あるマイクロ流路には抗体を流し、他の流路にはウイルスRNAの検出を割り当てるなどの対応が可能だ。

さらに、LOC(ラボ・オン・チップ)技術を用いた自動化とハイスループットスクリーニングにより、ウイルスの診断に必要な検査をサポートできる。

ハイスループットスクリーニングとは、創薬やバイオマーカー研究などにおいて、興味のある候補物質を特定する際に標準的な方法で、疾患を改善する作用をもつ物質を薬剤候補の集団から見出したり、最も高い薬効を示す物質の選別をしたりする作業を、機械を用いて高速で行う作業のこと。

カリフォルニア大学バークレー校では、紫外線の光を利用してパターンを転写するフォトリソグラフィーで型を製造していたが、複雑なアライメントステップや多重露光などの問題があった。

しかし、この課題はBMF社の3Dプリンター「microArch S140」でテストパーツを作製する過程で解決された。「microArch S140」を使用し、50μmのチャンネル造形に成功し、同一モデルに8本のチャンネルを収めることができた。

従来の多重マイクロ流体デバイスは100μmのチャンネルだったが、小さなチャンネルをより多く製作できたことになる。また、従来のフォトリソグラフィーでは必要な型を得るために1週間以上かかっていた工程を数日に短縮した。積層する各層を正確に配置でき、労力を増やすことなく、より複雑なデバイスの製作が可能になったのは大きな成果と言える。
Christos Adamopoulos氏とAsmaysinh Gharia氏は、1つのチップに20本のチャンネル搭載も可能だとしている。

新型コロナウイルスに対するBMF社の取り組み・姿勢

3Dプリンターは新型コロナウイルスに対する迅速な対応が求められるなかで、非常に有用なものだ。そして今後ますます大きなニーズを満たす可能性も秘めている。

BMF(Boston Micro Fabrication)社のCEOである John Kawola 氏は、3Dプリンターで作成する小さな部品のニーズについて、以下のように語っている。

高解像度の3Dプリントは、ミクロンレベルまで非常に詳細な部品を提供できるところに価値があります。そのため各メーカーは自社のプリンター使用時にどうしても発生してしまうわずかな誤差の範囲を維持する必要があります。3Dプリントと小型化の間の境界線が解消し始めるにつれて、主要なトレンドの収束が見られます。精度に対する課題は小型で高解像度の部品の開発を検討しているエンジニアやメーカーにとって革新を妨げてきましたが、部品が小さくなるにつれて、3Dプリントがその魅力を失い始めることは間違いありません。3Dプリントは50µmの範囲内でしか一貫性を実現できませんでした。しかし当社の『micro Arch』は、従来のものよりもはるかに小さい部品を正確に提供できます。電子機器、医療機器、MEMS、ろ過、医薬品研究など、小さな機能を備えた高精度の部品を必要とする業界では、すでに3Dプリントによる大きな牽引力が見られます。デバイスと部品が小さくなるにつれて、精度の高さが重要になり、達成するのが困難になっています。これらの部品の要件は、多くの場合、現在の3Dプリンターのテクノロジーの範囲を超えています。それをクリアしようとすればその費用は非常に高価になる傾向があります。

3Dプリンターであればどのような小さなものでも、住居のような大きなものでも作製できるわけではない。あらゆる3Dプリンターの性能や機能は決して同一ではなく、メーカーごとに大きな差異があるだ。

すでに医療業界でも3Dプリンターが活躍を見せている。新型コロナウイルスの有無を確認するために行われるPCR検査は、スワブと呼ばれる長い綿棒のようなものを鼻腔に挿入する方法が用いられているが、そのトレーニングに使用するための医療用マネキンを3Dプリンターで作製する国もある。こちらは以前 ShareLab NEWS でも取り上げたことがある。

今後もますます3Dプリンターが医学の発展や医療現場において重要なものになることは間違いないだろう。

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国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関する情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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