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デスクトップメタルの2023年第2四半期決算発表。景気回復の手応え

デスクトップメタルのプレスリリース

ストラタシスとの合併の話もあるデスクトップメタルが、2023年第2四半期の決算に関するテレカンファレンスを行った。ストラタシスと合併して積層造形ビジネスで最大の会社を設立するという発表を含め、非常に活発な市場の中で、デスクトップメタルにとって堅実に業績を固める動きを見せた3ヶ月だったという。(上部画像はデスクトップメタルのプレスリリース。出典:デスクトップメタル)

2023年第2四半期に入りデスクトップメタルの受注は回復基調

当四半期は、堅調な売上高と継続的なコスト削減の実行で収益の増加と利益率の改善が進んだ。 

2023年の第2四半期の収益は5,330万ドルで、2023年の第1四半期と比べて29%の高い成長率をしめした。2022年は、製造業のマクロ環境は逆境で、需要面での見通しは暗かった上に、第1四半期には不透明感があったが、その軟調さは第2四半期で徐々に払拭でき、第2四半期は好調な結果で終わった。 環境には依然として警戒要素があるが、2023年は注文が増加する見通しだ。

自動車分野では、BMWへの金属バインダージェット方式の装置の追加導入の決定につづいて、ギガキャスティング対応を進める自動車各社への導入が見えている案件として控えているほか、メディカル分野での売上増進などが見込まれている。

6箇所の生産拠点閉鎖などでコスト削減

第2四半期に、デスクトップメタルは、6つの生産拠点の閉鎖を完了した。在庫に関しては、1億ドルの在庫を抱えているため、今年の下半期に在庫を収益化することに取り組んでいくとしている。

こうした取り組みにより。第2四半期の非GAAPベースの粗利益率は31%に増加した。第2四半期の終わりに向けて行われた削減施策の結果がでるまで時間差はあるが、追加のコスト削減の恩恵と下半期の予想される収益増加を組み合わせることで、今年度の収益見通しは明るく引き続き粗利益率が拡大すると予想している。

メディカル分野でのハイライト

ヘルスケア面では、デスクトップメタルのメディカル部門、デスクトップ・ヘルス社の主要な歯科ソリューションのプラットフォームが市場シェアを伸ばしている点とCarbon3Dへの材料提供など知財を活かしたアライアンスが進展している点に注目したい。また新製品としては、デスクトップ・ヘルス社は最近、バイオ3Dプリンター分野ではまだ珍しい回転機構を備えた新世代バイオプロッター・システムを発売した。

決算説明会の資料
決算説明会の資料「メディカル分野でのハイライト」(出典:デスクトップメタル)

PEEK、再吸収性ポリマーなどのポリマーを生細胞、ヒドロゲル、その他の生体適合性のある材料と複数の材料で組織工学部品を製造できるため、体の血管、消化器、呼吸器、生殖器官用の新しい種類のステントやグラフトを製造できる。デスクトップ・ヘルス社の3Dバイオプロッター・システムは、査読のある科学雑誌や医学誌で世界で最も多く引用され、研究されているバイオプリンターであり、2,490以上の引用と600以上の査読のある研究論文がこのシステムで直接作成されている実績があるが一層の躍進の可能性がある。

一例として、FDAは最近、当社の顧客であるシカゴに拠点を置くDimension Inxにデスクトップ・ヘルス社の3Dバイオプロッターによって製造されるCMFlex超弾性3Dプリント骨に承認を付与。3Dプリントによるバイオファブリケーション製品がFDAの認可を取得したのはこれが初めてだ。デスクトップメタルのバイオファブリケーション製品としては押出成形と光造形の両方でコアな知財を保有している強さを見せつけた格好だ。

自動車業界はAMに積極的な導入姿勢

決算説明会の資料
決算説明会の資料「自動車業界の積極的なAM導入姿勢」(出典:デスクトップメタル)

デスクトップメタルによれば、同社の3Dプリンターは、現在自動車で大規模に使用されている最初で唯一の金属印刷技術として実績を上げている。特にBMW社では「バインダー ジェット方式の金属3Dプリンターは現在、BMWなどの OEM企業によって大規模に使用されており、ほぼすべての新車に部品が搭載されている」(デスクトップメタルCEOリック・フロップ氏)というほど活用されている。

BMWはすべてのバインダージェットソリューションを比較する数年がかりの性能比較検証を実施しており、デスクトップメタルが大型受注を獲得している。毎時350,000㎤を超える造形速度を誇る最速のバインダージェット方式の3Dプリンターであり、現在BMWではその多くが設置され、最終部品製造に活用されている。そして、さらに台数が増える見込みということだ。

同じく自動車業界では、テスラをはじめ多くの企業が取り組みを始めている、ギガキャスティング技術への取り組みがホットな話題になっている。組み立てラインで打ち抜き、切断、溶接、固定される何百もの板金部品から構成されてきた自動車だが、ギガキャスティングにより数百の部品を単一の巨大な部品アセンブリに統合することで、コスト、組み立て時間、設備投資、重量を大幅に削減する取り組みが続いている。

ギガキャスティングは、物流と排出量削減、車両プラットフォームのエンジニアリングにおける柔軟性の向上、およびCO₂排出量の削減に潜在的な利点をもたらす。このプロセスでは、バインダー噴射システムがフロントエンドで広く使用されており、非常に高速な反復サイクルで複雑な形状を実現し、車両製造の経済性を向上させることに貢献している。 

「現在、ギガキャスティングで製造されたテスラの車両に供給する当社のプリンタを使用している複数の顧客がいます。また、トヨタ、ボルボ、メルセデスベンツなどの他のOEM企業も、この新しいプロセスを活用する車両プラットフォームの発売にすぐに追随しています。」(デスクトップメタルCEOリック・フロップ氏)と強い手応えを感じているようだ。

将来のギガ キャスティングプログラムでは、ダイカストとバインダー ジェットで印刷された内部コアを混合できる、さらに幾何学的に複雑な部品を活用することが検討されているため、バインダージェットの使用は急速に増加していく可能性が高い。伝統的なダイカスト金型プロセスの場合、設計サイクル中に車両への変更を18~30週間以上繰り返すのに対し、ギガキャスティングの場合、わずか1日で繰り返すことができることが評価される理由となるだろう。

ストラタシスとの合併でシナジーを狙う

決算説明会の資料
決算説明会の資料「ストラタシスとの合併」(出典:デスクトップメタル)

ストラタシスとデスクトップメタルの合併に関しても触れている。両社は、実質的に重複する製品のない、多様かつ包括的なポートフォリオを構築しているが、ストラタシスは、ポリマー3Dプリンティングで主導的な地位を築き、航空宇宙、自動車、消費者製品、ヘルスケアの分野で強みをもっており、デスクトップメタルは、金属、砂、セラミック、修復歯科用プリンティングソリューションの大量生産において強みがある。「当社の複合材料ライブラリは高度に差別化されており、ソフトウェア機能は印刷プラットフォーム間で補完的だ」(デスクトップメタルCEOリック・フロップ氏)として、合併による売上機会の創出に前向きな姿勢をしめした。

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