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ニコン、新たにAM関連企業2社への出資を発表-Hybrid Manufacturing Technologies Global, Inc.、Optisys, Inc

2022年9月14日(水)、株式会社ニコンは米国のHybrid Manufacturing Technologies Global, Inc.(以下、HMT社)、同じく米国のOptisys, Inc.(以下、Optisys社)への出資を発表した。両社への出資額は非公表となっている。

先日発表した、独の金属3Dプリンターメーカー、SLM Solutions Group AGの買収に相次いで、今回の出資発表となり、ニコンによるAM関連事業への投資の加速が伺える。

HMT社への出資について

HMT社(https://hybridmanutech.com/)は、産業用3Dプリンターをはじめとした工作機械向けヘッドユニットの開発、製造、販売を行っている。

AM技術は、従来の機械加工技術と合わせて用いられることが少なくない。同社が開発し特許取得した工作機械向けヘッドユニット(AMBIT™)は、ヘッド部分が取り換え可能なため、このようなAMと従来の加工方法を組み合わせた工程において、単純なヘッドの交換だけで金属の切削などから付加造形(AM製造)に切り替えることができ、生産性の向上が期待される。

今回の出資に関して、ニコンの柴崎氏(執行役員兼次世代プロジェクト本部長)と、HMT社の共同創業者兼最高経営責任者(CEO)Jason B. Jones博士はそれぞれ以下のようにコメントしている。

このHMTへの出資は、デジタル製造をさらに工業化する次世代プロジェクト・プログラムの最新の構成要素である。実証済みの協業機能を有する業界リーダーとして、HMTとそのAMBIT(TM)ポートフォリオはニコンの技術とよく合致している。ハイブリッド製造などの新しい産業を通じて価値を創造し、社会を前進させる当社の取り組みの一環として、彼らと協力することを楽しみにしている。

ニコン 柴崎氏(執行役員兼次世代プロジェクト本部長)

ニコンのような長年の技術リーダーから出資を受けることは光栄である。当社はともに、AMとデジタル製造の可能性をより完全に実現していく。この技術の成果が、今後数十年で地球上のほぼすべての人々の生活に影響を与えることを期待している。

HMT社 Jason B. Jones博士(共同創業者兼最高経営責任者(CEO))

Optisys社への出資について

Optisys社(https://www.optisys.com/)は、米国ユタ州に本社を置く、AM技術を用いて宇宙航空産業など向けのアンテナの設計、製造を行っている企業である。従業員数は約30名、  Lockheed Martin、 Boeing,、L-3、General Dynamicsなどグローバル企業を主要顧客に持つ。造形装置には、先日ニコンが買収したSLMの金属3Dプリンター「SLM 500」などを導入している。Optisys社の製品情報はこちらのページ(https://www.optisys.com/products)より確認できる。

宇宙航空産業用部品は、小型衛星や航空機などの燃料効率改善のための軽量化、搭載両工場のための小型化が非常に重要であり、その点においてAM技術の活用が大きく期待されている。同社は、従来複数部品の組み合わせて製造されていた部品を、AM技術により一体造形し、部品数の削減、軽量化、低消費電力化、高性能化、コスト削減、納期短縮など多くの成果を実現している。今年2022年2月には、アメリカ国立電波天文台(NARO:National Radio Astronomy Observatory)とRF望遠鏡の技術開発提携を発表し注目を集めていた。


昨年の宇宙航空機部品受託加工会社Morf3Dへの出資・子会社化をはじめ、SLMの買収、今回のHMT社、Optisys社への出資など、今後ニコンによる、航空宇宙産業での金属3Dプリンティングを用いた材料加工分野での更なる投資・イノベーションの加速が推測される。

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編集/記者

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