マテリアライズの2023年第2四半期の業績概要と2つの成長戦略
マテリアライズは世界20か国以上で3Dプリンティング技術活用のためのソフトウェアやサービス基盤を提供しているAM企業だ。2023年7月26日に2023年度の第二四半期の業績発表をおこなっているのでその概要を紹介したい。
目次
マテリアライズとは
マテリアライズは世界20か国以上で3Dプリンティング技術活用のためのソフトウェアやサービス基盤を提供しているAM企業だ。2023年7月26日に2023年度の第二四半期の業績発表をおこなっているのでその概要を紹介したい。(上部画像はマテリアライズのCorporate presentation 出典:マテリアライズ)
マテリアライズの2023年第2四半期の業績概要と3つの売上セグメント
2022年度の売上は約232億ユーロ(約367億円)で地域別売上構成を見ると54%はEU圏でアメリカ圏37%、アジア圏9%とヨーロッパが主な商圏となっている。売上に占めるセグメント構成で見るとソフトウェア19%、医療分野39%、受託製造が42%となっている。
マテリアライズの2つの成長戦略
マテリアライズは水平展開と垂直展開の2つの戦略を推進している。水平展開とは、AMによる製品の企画、開発、造形などのプロセスを広げていく総合的な取り組みだ。コンサルティング、ソフトウェア提供、受託造形サービスによる取り組み支援を行う。垂直展開とは、特徴的な用途開発を行うことで、特定の企業や業界に深く根を張ることを目指す取り組みである。医療業界と靴・眼鏡など身につけるものを製造する業界への取り組みを指す。
売上の4割を占める受託造形セグメントと水平展開
売上の42%を占める受託造形を支えるのは、金属3Dプリンター19台を含む185台の3Dプリンター設備と円滑に稼働させる生産体制だ。オンライン受注を行う受託造形サービスの他、医療分野、米スーパーフィート社との靴のカスタムや、Hoya欧州部門との連携による眼鏡のカスタマイズなどに取り組んでいる。その中でも靴分野では、米スーパーフィートとの協業でカスタム靴底への取り組みを推進している。眼鏡分野では日本のレンズメーカーHoyaの欧州部門と連携し、カスタマイズ眼鏡の生産に取り組むなど新しいビジネス創造にも挑戦している。
売上の4割を占める医療セグメントと垂直展開
医療業界の深堀には、ジョンソン&ジョンソンやZMBなどの医療業界向けソリューションを持つ企業と連携して、医療用カスタマイズ器具やインプラント治療具などの企画や製造。医療現場へのデリバリーまで包括して行っていくend-to-endサービスを推進していくとしている。
売上の約2割を占めるソフトウェア事業セグメントと水平展開
3Dプリンターの制御にフォーカスを当てた造形準備ソフトウェアMagicsとAM製造の造形プロセス管理に力点をおいたco-amという2つの製品群を総合的なソフトウェアとして提供している。業界特化型のソリューションとして、医療向けには企画から製造までを管理するMimicsを提供する。
ソフトにもハードにも取り組むマテリアライズ
成長を続けるマテリアライズだが、単なるソフト屋、受託製造業者ではなく、企画から製造までトータルにAM活用で改善、革新していく取り組みを推進することでさらなる成長を狙っている。
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