クラリアント社の3Dプリンティング事業と結合 ニーズに基づいた高性能材料を提供へ-DSM
Royal DSM(以下、DSM)は6月24日、Clariant(以下、クラリアント)の3Dプリンティング事業を部分的に引き継ぐことで合意したと発表した。この合意により市場主導型のラピッドプロトタイピングや製品開発ソリューションを拡充する。
DSMとは
1902年にオランダの炭鉱会社として創業。現在は世界55カ国で活動を展開。Euronext Amsterdamに上場しており、社員数2万3000人、年間売上1兆円のグローバル企業。すべての人々の生活を豊かにすることを目的に、食品や栄養補助食品、飼料、パーソナルケアおよびアロマ、医療機器、環境に配慮した製品および用途、新たなモビリティとコネクティビティの分野において革新的なソリューションを提供。
クラリアントとは
スイスに本社を置く化学工業会社。ケアケミカル、天然資源、触媒、プラスチック&コーティングの4つのビジネス分野に分かれる。クラリアント社の企業戦略は、研究開発によるイノベーション、持続可能性を伴う付加価値、ポートフォリオの再配置、成長の強化、収益性の向上の5つの柱に基づいている。
市場ニーズに基づいた高性能素材を提供可能に
DSMの技術×クラリアンの3Dプリンティング材料の知見
工業製品の生産におけるAM(積層造形)技術の導入事例が急激に増加している中、既存の製品ポートフォリオや製造プロセスと整合する材料を使用したい、というニーズも増えてきている。DSMのフィラメントおよびペレットに関する優れた技術や実績に、クラリアント社が培ってきた3Dプリンティング材料に関する知見を加えることで、市場ニーズに基づいた高性能なフィラメントとペレットを、顧客のニーズに即応できる形で提供することが可能になる。
エンジニアリンググレードのフィラメント、ペレット、およびパウダーの製品群を強化
今後、両社の技術統合を進め、DSMはエンジニアリンググレードのフィラメント、ペレット、パウダーの製品群を強化する。独自のコンパウンド生産方法により、フレキシブルかつスピーディーな市場主導型製品開発を進めてきたクラリアント社チームの知見を活かすことで、顧客のアプリケーションニーズに合わせたより迅速な製品改良が可能となる。
今回の取引には、クラリアント社の3Dプリンティングチームの一部、選別されたエンジニアリンググレードのフィラメント・ペレット材料ポートフォリオ、開発パイプライン、顧客、パウダー開発の知見、少量バッチ生産の迅速な立ち上げのための小規模生産ラインが含まれる。DSMアディティブマニュファクチャリング部門 バイスプレジデントであるHugo da Silvaは次のように述べている。
クラリアントから専門知識や経験が豊かな新しいチームメンバーを迎え入ることで、DSMのアディティブマニュファクチャリングソリューションを拡充でき、非常に嬉しく思う。DSMとクラリアントは、お客様のニーズや課題を熟知し、共有しており、また両社の専門知識、ノウハウおよび製品ポートフォリオは相互補完的な関係にある。DSMは、クラリアントの3Dプリンティング材料事業を統合することにより、より幅広い材料ポートフォリオをもって、市場ニーズに即応しつつ、製造業におけるアディティブマニュファクチャリング技術の新たな可能性を追求していく」
(プレスリリース記事より引用)
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