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Polymakerの炭素繊維配合樹脂フィラメント「PolyLite™PLA-CF」の国内販売が開始ーサンステラ

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3Dプリンターの販売の他、材料メーカーであるPolymaker社の国内総代理店を務める株式会社サンステラは、材料押出方式(MEX方式)の3Dプリンターで使えるPolymaker社製フィラメント「PolyLite™PLA-CF」の国内販売を開始した。PolyLite™PLA-CFは、炭素繊維を配合した強化樹脂で、造形しやすさと耐衝撃性を両立する。

Polymakerが炭素の短繊維を配合したPLAフィラメント「PolyLite™PLA-CF」

株式会社サンステラは、主にコンシューマー向けの3Dプリンターや、3Dプリンター用フィラメント、3Dスキャナーなどを販売しているが、近年は装置性能が向上し、試作品開発にも耐える機種が増えてきたこともあり、産業利用にも対応した機種の取り扱いも行っている。そのサンステラのもう一つの顔が中国の材料メーカーであるPolymakerの日本総代理店だ。上海(中国)に本社を置くPolymaker社だが、Amazonなどで購入できる安価なフィラメントから始まって、中国のevメーカーであるXEV社のYOYOなどの自動車製造プロジェクトで用いられる高機能材料まで幅広く手掛けている。

そのPolymakerの安価なPLAに炭素の短繊維を配合し強度を向上させた3Dプリント用フィラメント「PolyLite™PLA-CF」がサンステラから販売されることになった。PolyLite™PLA-CFは、炭素繊維を配合したPLA(Poly-Lactic Acid:ポリ乳酸)樹脂であり、通常のPLAよりも高い曲げ強度、耐衝撃性を持つ。積層跡が目立ちにくく、造形のしやすさと強度を両立した3Dプリンティング用フィラメントだといえるだろう。造形の際には、硬化鋼ノズルの使用が推奨されているが、ノズル温度では190度から290度が推奨されている。

ボルト穴をあけても利用できる
硬い部品にも利用可能な想定の写真

炭素繊維で強化されたコンポジット樹脂材料

炭素繊維強化樹脂(Carbon Fiber Reinforced Plastics, CFRP)は、通常の樹脂に炭素の短繊維(カーボンファイバー)を配合している。炭素繊維は、曲げ耐性や衝撃耐性などの機械強度を高める目的で用いられるが、それだけではない。吸湿性、腐食耐性などにも影響を及ぼし、航空宇宙、自動車、建築材料、エネルギーインフラ、楽器、スポーツ用品などの幅広い分野に応用されている。

最も強度が高いのは一本の長繊維に樹脂材料を混錬する長繊維の炭素繊維配合樹脂フィラメントだが、安価で手軽な炭素繊維を裁断の上、樹脂と混錬しフィラメントを製造する短繊維材料のラインアップも気軽に買えるようになってきた。

また、樹脂の強化に用いられるのは炭素繊維だけではく、ガラス繊維を使った複合強化樹脂も開発・販売されている。配合される繊維が異なれば、当然、樹脂の機械的特性などにも違いが生じる。

これら繊維強化樹脂はFDM方式の3Dプリンターと大変相性の良い材料群だが、溶融させるために通常より高い温度で加熱しなけばならない。繊維強化樹脂を扱う際には、造形に使う3Dプリンターのノズルの溶融温度にも気を配っておく必要があるだろう。

炭素繊維や強化樹脂については、以下の記事でも取り扱っている。興味があればご参照頂きたい。

フュージョンテクノロジーがAMESOS社製超高速3Dプリンターを国内販売開始へ

プリプレグ製造においても3Dプリンターの活用が進む

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フィラメント基本仕様

以下、PolyLite™PLA-CFの基本仕様を示す。

定価 ¥7,480(税込)
カラー 全1色(ブラック)
平均フィラメント径 1.75 mm(< ± 0.05 mm,通常は~ ± 0.02 mm)
重量 1,000g
推奨プリント温度 190 – 290°C
推奨プリント速度 30 – 70mm/s
推奨ヒートベット温度 30 – 60°C
【PolyLite™PLA-CF】フィラメント基本仕様

サンステラに関連する記事

過去当サイトで取り扱ったサンステラ関連の記事については、以下をご参照頂きたい。

高いコストパフォーマンスと大型造形を可能とした3Dプリンター「Ender3 S1 Plus」を国内販売へ-サンステラ

炭素繊維配合のナイロン樹脂材料PA12-CF登場ーINTAMSYS

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