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二光子重合技術を用いた高精細3Dプリンター MPO 100が登場

ドイツの 3DプリンターメーカーHeidelberg Instruments(以下、Heidelberg)と、その子会社Multiphoton Optics GmbHは、二光子重合法を利用した高精細 3Dプリンター「MPO 100」を発表した。

高精細3Dプリンター MPO 100の特徴

2022年1月25日~27日、サンフランシスコで開催された光学分野最大規模の学術会議SPIE Photonics Westで、Heidelbergは新たな 3DプリンターMPO 100を発表。

その触れ込みは以下の通り。

  • 構造物のサイズは1cm超、10nmオーダーの表面粗さ、100nm未満の解像度、1000mm/sを超える書き込み速度
  • 高精細3Dプリンターとして、生物、医学、薬学などに関する大学、各種研究開発機関を対象として販売を予定

Heidelbergが提示した顕微鏡写真には、驚くほど精密な立体構造物が描かれていた

高精細露光ユニットと安定性を保証するプラットフォーム

MPO 100は、Heidelbergと、その子会社Multiphoton Optics GmbHが生産している。

100nm未満の解像度、10nmオーダーの表面粗さを実現したのはMultiphoton Optics GmbH の二光子重合技術だ。二光子重合は、光によって硬化する樹脂に特定波長の光を照射し、立体構造を作り出す。半導体分野で用いられるフォトリソグラフィを発展させた技術だ。

二光子重合法については、以下の記事で詳しく解説している。

二光子重合法を用いた高精細3Dバイオプリンティングが登場

照射する光の波長は522nm で、市販の光硬化性樹脂に広く利用できるが、ORMOCERというハイブリッドポリマーに最適化されている。

MPO 100の最大の特徴はその解像度であるが、安定性や利便性にも優れる。これをサポートするのが、Heidelberg3Dプリント用プラットフォームだ。

MPO 100は 内部温度変化を 0.1℃以下に保つことのできるフローボックスや、設計した構造の品質を最大化するアルゴリズムを備える。Heidelbergの Steffen Diez は、MPO 100について以下のようにコメントしている。

「MPO 100 は、両社の強みを 1つのシステムへと作り上げた。二光子重合用の優れた露光ユニットと、業界の品質基準を満足する Heidelberg の工業用プラットフォーム。MPO 100 の性能については、私たちの顧客から大きな評価を頂いている。」

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