「10年とその先」 設立10周年記念イベントを開催 ― Creality社
廉価帯の3Dプリンターとして見かけることが多い中国の3DプリンターメーカーCrealityだが、今年創立10周年を迎える。 中国・惠州で開催されたCreality社の設立10周年記念イベント「A Decade and Beyond」では、多数の新製品とブランド刷新の発表があり、約300人の参加者が集まった。(上部画像はCrealityの10周年イベント「A Decade and Beyond」出典:Shenzhen Creality 3D Technology Co., Ltd.)
目次
新しいブランドアイデンティティの発表
今回のイベントでは新しいブランドアイデンティティの発表もあった。「USAVE」という独自のコンセプトに基づいており、「Usable(使いやすい)」「Smart(スマート)」「Affordable(手頃な価格)」「Versatile(多用途)」「Enjoyable(楽しい)」という各要素が統合されているということだ。同社がユーザーの創造性を解き放つことを目指していることを示しており、新ロゴは緑色の「A」を特徴とし、持続可能性、熟練、コミュニティといった価値を象徴しているという。あわせて新しいスローガン「Imagine It, Make It」も発表された。
主要な新製品の紹介
同イベントでは複数の新製品が発表もあり、注目されるのは、「Creality K2 Plus」と「Ender-3 V3 Plus」、「HALOT-Mage S 14K」である。「Creality K2 Plus」は、350×350×350mmのビルドボリュームを持ち、マルチカラー3Dプリントを実現するためのCrealityフィラメントシステム(CFS)を搭載している。一方、「Ender-3 V3 Plus」は、CoreXZ構造で最大600mm/秒の印刷速度を誇る。「HALOT-Mage S 14K」は、10.1インチ14Kモノクロ液晶を使用し、高速かつ高精度のプリントが可能である。
Crealityエコシステムの拡充
さらに3Dプリントされた造形物の二次加工を含むエコシステムの拡充も発表されている。その中にはレーザーカッターや3Dスキャナーもあった。「Creality Falcon2 Pro 60W」は60Wの密閉型レーザー彫刻機&カッターであり、安全に便利な加工を目指している。また3Dスキャナー「CR-Scan Raptor」は、最大0.02mmの高精度と最大60fpsのスキャニング速度を誇り、多様な用途に活用できそうだ。
記念キャンペーンとコミュニティへの影響
造形者コミュニティとの結びつきを強化するための、「Anniversary Video Challenge」と「Museum Invasion Program」という二つの記念キャンペーンも実施される。
Anniversary Video Challengeでは、世界中のユーザーが自身のCreality社に関する体験をビデオにして共有し、約100の動画が寄せられた。一方、Museum Invasion Programでは200以上の3Dプリンターで製作されたモデルが展示され、多くの参加者が実際の成果物を観覧する機会を得た。これらの取り組みは、Creality社の市場での位置づけとコミュニティとの持続的な関係構築を目指していく姿勢を示すものといえそうだ。
今後の展望と市場への影響
設立10周年を迎えた Creality社 は、これまでの成功を基盤に、さらなる市場拡大と技術革新を目指していく姿勢だる。Creality社は、フィラメント管理システムやマルチカラー印刷機能を搭載した3Dプリンターを市場に投入することで、個人ユーザーから産業用途までの幅広いニーズに応え、3Dプリント技術の普及と進化を推進する計画だ。製品の利便性とアクセシビリティを高め、更なる市場浸透を促進することが期待される。
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