最新電子ビーム溶融プリンター「Spectra M」を発表 ― Colibrium Additive社
2024年6月25日、GE Aerospace社の子会社であるColibrium Additive社は、最新の電子ビーム溶融(EB-PBF)3Dプリンター「Spectra M」を発表した。コンパクトなビルドボリュームと高度な技術を特徴とし、特に医療および整形外科インプラントの製造において、コスト削減と生産効率の向上を実現。最新の「EBMControl 6.4ソフトウェア」を搭載し、「Point Melt」や「Plate Free」などの先進機能を備えている。(上部画像はColibrium Additive社の「Spectra M」出典:Colibrium Additive社)
背景と目的
Colibrium Additive社は、GE Aerospace社の一部門として、金属積層造形技術の最前線に立つ企業である。今回発表された「Spectra M」は、特に医療および整形外科分野での需要に応えるために開発された。この分野では、精度の高い部品と低コストでの生産が求められており、従来の製造方法では達成が難しい要件である。顧客のフィードバックを基に、より小型で高性能なプリンターを求める声に応え、この新型機を開発。「Spectra M」の導入により、医療機器の製造コスト削減と製品品質の向上を図り、競争力を高めることを目指している。
「Spectra M」の主な特徴
コンパクトなビルドボリューム(Ø270x430mm)と4.5kWのビームパワーを特徴とするため、小型で高精度な部品の製造が可能となる。また、Ti-6Al-4V(Grade 5)およびTi-6Al-4V ELI(グレード 23)といった高性能材料に対応しており、多様な用途に対応できる。さらに、最新の「EBMControl 6.4ソフトウェア」を搭載しており、生産性と品質を両立させた高度な3Dプリントが可能である。
搭載された「EBMControl 6.4ソフトウェア」の「Point Melt」は、粉末を小さなポイントで溶融させることで、高精度な造形を可能にする。一方、「Plate Free」は、サポート材なしで部品を製造することができ、後処理の手間を大幅に削減する。この二つの技術で表面の粗さや機械的特性を犠牲にすることなく、効率的な生産が可能となり、特に高精度が要求される医療機器や複雑な部品の製造において、大きな利点になる。
医療および整形外科インプラント製造
「Spectra M」の導入により、コンパクトなビルドボリュームと高いビームパワーで細部まで精密に作り込まれたインプラントの製造が可能となる。医療分野における高精度な製造ニーズに応えるためのソリューションを提供し続け、新たな材料の開発や既存技術の改良を通じて、より多様な用途に対応できる製品を今後も提供する計画である。
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