金属3Dプリント部品の品質を保証するAMQ認証プログラムを開始 ― ASTM International
世界最大の国際標準化・規格設定機関の「ASTM International」は、金属3Dプリントによる部品製造メーカーを対象とするAdditive Manufacturing Quality（AMQ）認証プログラムを開始した。AMQ認証プログラムは、金属3Dプリントを行うメーカーによる一貫した高品質な部品製造を保証するためのもので、2つの「ISO／ASTM」という規格に基づいて実施される。
すでに、Sintavia社（米フロリダ州）、Morf3D社（米カリフォルニア州）、MIMO TECHNIK社（米カリフォルニア州）、ST Engineering Land Systems社（シンガポール）などのAM部品製造メーカーがAMQ認証プログラムの認定を受けているとのこと（画像はASTM Internationalのロゴ／出典：ASTM International）。
AMQ認証プログラムの内容
AMQ認証プログラムは「ISO／ASTM52901-2017」と「ISO／ASTM52904-2019」という2つのISO／ASTM規格で構成されている。
「ISO／ASTM52901-2017」は、添加剤製造用の購入部品が特定の要件を満たすことを保証するためのガイダンスを提供する規格で、顧客の要求事項、部品の設計、材料の選択、最終製品に望まれる特性や性質、検査基準、部品の受け入れ判断方法といった内容が盛り込まれている。金属3Dプリンターで製造された部品が最低限の要件を満たしていることを示す、基礎となるものだ。
「ISO／ASTM 52904-2019」は、航空宇宙部品や医療用インプラントなどの重要なアプリケーション向けに、金属粉末床融合（PBF方式）機とプロセスの運用や制御に関するガイドラインを提供するもので、レーザーまたは電子ビームを利用したPBF技術による実際の部品やテストサンプルの製造に関する要件が盛り込まれている。
これら2つの国際規格は、世界貿易機関（WTO）の貿易の技術的障害（TBT）委員会が定めた、世界的に認められた標準化の原則に従って策定された。
AMQ認証以外のAM関連認証も
ASTM Internationalは、AMQ認証とは別に、金属3Dプリントに関する2つの認証プログラムを提供している。
1つ目は「AM Personnel Certification」で、2つ目は「Facility Safety Certification」だ。前者は金属3Dプリンターを操作するオペレーターが特定の金属3Dプリントプラットフォームで金属レーザー粉末床融合法（PBF方式）を用いて部品を製造する資格を有することを保証するものだ。後者は公表されているコードと規格に基づいてAM施設の安全性とコンプライアンスを評価し、オペレーションが安全でコンプライアンスに適合した方法で実施されていることを保証するものとなっている。
ASTM Internationalは包括的に認証プログラムを提供することで、金属3Dプリント業界の成長を支援していきたいとしている。
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