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最新のAM業界に触れる2日間!今年もFormnext Forum Tokyo開催 (2023/9/28~29)

メッセ・フランクフルト・ジャパン社の大内 祐司 氏

Formnext Forum Tokyoは、世界最大規模のAM国際展示会「Formnext」の日本開催イベントだ。3Dプリンターに関連する展示会として、自動車や航空宇宙関連企業をメインターゲットに展示会を開催している。他のAM展示会と大きく異なるのは、AMに焦点を当てた単体開催という点だ。

そんな今年のFormnext Forum Tokyoは、過去最大の出展規模となる。新規の出展者が多く、材料関連の会社やサステナブルな材料が注目されている。2023年9月28日、29日に迫ったイベントの全貌を主催者であるメッセフランクフルト ジャパン株式会社の大内 祐司 氏に聞いた。

Formnext Forum Tokyoとは?

Formnext TOKYOのサイトトップページ(出典:Formnext TOKYO)
Formnext Forum Tokyo のサイトトップページ(出典: Formnext Forum Tokyo )

シェアラボ編集部:Formnext Forum Tokyoは単体開催で行われるAM展示会ということで、かなり本気度の高い出展者と来場者が集まるイベントというイメージがあります。まだご存知のない方のために簡単に自己紹介をおねがいします。

大内氏:Formnext Forum Tokyoは世界最大級の国際展示会Formnextの日本開催イベントです。ドイツ、アメリカ、中国など各地のメッセ・フランクフルトの支社が現地の企業のために企画開催しているのですが、日本で行っているのがFormnext Forum Tokyoです。2023年は9月28日、29日の二日間にわたる開催で、過去最大規模である67社の出展を予定しています。

シェアラボ編集部:コロナ禍で展示会の開催が難しくなったわけですが、その間も技術は刻々と進歩してきました。2023年はコロナ禍の影響もだいぶ薄れてきた中、そうした最新情報に触れる機会として期待できそうですね。

大内氏:そうですね。AMに関していうと業界自体が比較的歴史の浅いので特に日本のマーケットは欧米に比べると10年から15年ぐらい技術的にも遅れてる部分があると聞いています。ということは今後の国内マーケットというのは10年から15年分の伸びしろがあると思っています。

シェアラボ編集部:本当に高い期待値で来場される方もたくさんいらっしゃると思うのですが、今年はどんな展示会になっているんでしょうか。

大内 氏:もともと国際展示会ですので、海外企業の関心度も高く、海外企業も6社ほど参加しています。AMの発展が著しいインドからも2社参加します。他に韓国やフランスからの出展も予定されています。

シェアラボ編集部:インドは経済規模が継続的に成長している上にAMに関しても積極的ですよね。私達もまだきちんと取材できていないので、今回の出展でお話をぜひうかがいたいところです。9月開催ということで、もうすべての出展企業が決まっている感じですかね?

大内氏:そうですね。出展企業のレイアウトも決まっています。材料、装置、ソフトウェア、後処理など各分野で積極的に活動している企業の参加が決まっています。今年の印象は材料関係の出展企業が増えた印象です。サステナブル対応など注目のトピックスが増えたことが影響しているように思います。

シェアラボ編集部:サステナブル対応はホットな話題ですから、情報がほしい担当者の方も多いんじゃないでしょうか。日本は特に材料技術に強みがある企業が多いので、その点でも注目ですよね。これだけ会場に3Dプリンターを活用したものづくりに取り組む企業が勢ぞろいするので、会期中に話を聞いているだけで業界の動向や実際になにがどこまでできるのかについて最新情報をキャッチアップできそうで、楽しみです。

主催者特別セミナーは要予約!

大内氏:出展企業の展示以外にも、主催者特別セミナー、業界団体セミナー、出展者プレゼンテーションという3つの種類のセミナーを会期中に開催しています。主催者特別セミナーは事前予約が必要なのですが、業界団体セミナーと出展者プレゼンテーションは当日参加可能です。

シェアラボ編集部:主催者特別セミナーは話題性のある豪華な顔ぶれですね。初日のマイクロ3Dプリンティング分野は、シェアラボでも少しずつ取り上げることが増えてきましたが、マイクロマシンなど次世代の技術として注目が集まる技術分野ですよね。SUN METALONさんも、日本から世界を狙っているスタートアップとして非常に勢いを感じるプレイヤーさんです。

横浜国立大学大学院 丸尾教授
SUNMETALON 西岡氏
独VDMAのマルクス・へーリング博士
独VDMAのマルクス・へーリング博士

シェアラボ編集部:Industy4.0の震源地であるドイツでAMがどう認識されているかというのは 改めて業界を俯瞰する立場の方から直接うかがえるのは、楽しみですね。先日Desktop Metal社の四半期報告会で、BMWにどんどん同社の装置が入ってほぼ全部の車に活用されているというようなエピソードが話されていました。AMに積極的に取り組むドイツでのリアルなエピソードを期待したいところです。日本の国内市場も非常に大切ではありますが、円安を活かして優れた製品やサービスを世界に輸出していくという姿勢は製造業にとって重要なスタンスですよね。

大内氏:そうですね、今回講演するVDMAのへーリング博士はドイツのみならずヨーロッパの市場も熟知されている方なので、今後海外マーケットへの進出を考えている企業様はいろいろ聞いてみると良いと思います

J3DPAの松岡氏

日本の観点からみた世界市場という意味ではJ3DPAの松岡さんのセミナーも毎回わかりやすいので楽しみです。

大内氏:世界とつながることができるFormnextですが、日本から見た視点、世界から見た視点の両方で俯瞰できるように企画しました。

世界とどう戦うか

兵庫県立大学金属素材研究センター 柳谷副センター長

そういう意味では2日目のひょうごメタルベルトコンソーシアムの柳谷教授のお話も面白いですよね。ご自身が金属材料メーカーご出身ということもあって、どんな材料であれ、既製品にない独自の材料を作るべきというご意見は毎回勉強させていただいています。

大内氏:建築の分野でも元気な取り組みをされている企業様にご登壇いただいています。北海道を中心にご活動されている會澤高圧コンクリートさまです。

會澤高圧コンクリート 阿部執行役員

シェアラボ編集部:私たちもアイザワさんのご活動は注目しています。今回のセミナーで次に目指す3Dプリンターがご紹介いただけるという点は非常にワクワクします。

大内氏:精力的にご活動されているのは企業の取り組みだけではありません。今回は大阪大学の中野教授にAM学会の構想もお話いただきます。

大阪大学大学院 中野教授

シェアラボ編集部:鋳造分野との連携やブルーレーザーなど大阪大学さんお取り組みは注目するべき取り組みが山盛りですが、数年後を見据えたAM学会の構想は、産学連携の活用も積極的には買っていきたいAM分野では押さえておきたい取り組みです。

大内氏:主催者特別セミナーの最後は、非常に積極的に情報発信されている3DiHさんにお願いしています。

3DiHの渡邉氏、河野氏、新垣氏

シェアラボ編集部:「最終部品の製造のために何が足りないのか」はまさに、来場される多くの方が気になるテーマですよね。3DiHさんは企業同士の緩やかな連携で3Dプリンター活用を推進していこうという動きを取られていますが、参画されている企業の方はいずれもかなり多くの実案件をこなしていらっしゃるということもあって、現場感のあるお話がうかがえそうです。

主催者特別セミナーだけでも、かなり気になるテーマが目白押しですが、セミナーがあればゆっくり座って最新情報のレクチャーを受けることができるわけですね。展示会は気が付かないうちに結構歩くので、休憩したくなりますが、時間が限られているので、休憩時間がもったいないなといつも思います。気になるセミナーに合わせて展示会への来場予定を組んでおくと無駄がないかもしれません。

大内氏:主催者特別セミナーのプログラムは去年のアンケートで多くの好意的な反響がありました。 今年のプログラムは公式サイトで公開していますので、ぜひご覧ください

主催者特別セミナー:https://formnextforum.jp.messefrankfurt.com/tokyo/ja/programme-events/programme-events.html

「鋳造」と「衣食住」を取り上げる業界団体セミナー

シェアラボ編集部:業界団体セミナーはAM協会さんと日本3Dプリンティング産業技術協会さんが企画されているんですね。

大内氏:日本AM協会さんは金属3Dプリンターと鋳造に焦点を当ててビジネスとしての取り組みとしてご紹介いただいています。

業界団体セミナー9月28日の開催プログラム

シェアラボ編集部:鋳造は既存工法ですが、より高性能で効果的な鋳造品の製造にAM技術が活用できるというのは、最終部品製造に貢献できるということでいま注目が集まっているテーマですよね。断片的な話だけではなく、こうしてテーマとして扱ってもらえると理解が進みそうです。

9月29日開催の業界団体セミナーのプログラム

対象的にJ3DPAさんのセミナーは衣食住をどうやってAM技術が変えていくかという切り口が、アプリケーションの拡大に関心がある人には刺さりそうですね。

大内氏:業界団体という中立的な立場の方々がトレンドを解説してくれるというのは市場全体を俯瞰したい方には有益な場になるのではないかと思っています。その次が出展者プレゼンテーションということで、出展各社の装置や技術、事例紹介がメインになってきます。

シェアラボ編集部:私達も金属AMを前提とした設計最適化の事例を取材した内容を講演させていただく予定です。特定のテーマに関して深堀りした講演は、その後直接講演した方と名刺交換したり情報交換できるので、普段どこを探したらよいかわからない有識者を捕まえるいい機会になりますよね。

大内氏:最先端の情報をここでキャッチアップして、具体的な相談がその場でできる点はリアルイベントの良い点です。ぜひ積極的に活用していただきたいと思っています。

世界と日本のAMの今をつなぐFormnext Forum Tokyo

世界のAM活用は日本の10年先をゆくと人は言う。その真偽はさておき、世界中から3Dプリンター活用が成果を上げ、大きくものづくりを変えている事例が報じられていることは確かだ。優れた点を学び、日々の業務を大きく革新していくための情報収集を行うことは重要な取り組みであるはずだ。実際にサンプルに触れ、専門家と対話する機会となるFormnext Forum Tokyoを積極的に活用したい。

編集/記者

2019年のシェアラボニュース創刊以来、国内AM関係者200名以上にインタビューを実施。3Dプリンティング技術と共に日本の製造業が変わる瞬間をお伝えしていきます。

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