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AREVO社のカーボンファイバー3Dプリント資産を買収 ― ストラタシス社

ストラタシスのプレスリリース

3Dプリントソリューションの大手企業であるストラタシス社は、シリコンバレーを拠点とするArevo社のカーボンファイバー3Dプリント資産を買収したと発表した。この買収により、ストラタシスはFDM(熱溶解積層法)の製造用途における適用範囲を拡大する。(上部画像はストラタシス社のプレスリリース。出典:ストラタシス社)

Arevo社の革新的な技術

Arevo社は、樹脂材料の強度を大幅に向上させる炭素繊維3Dプリント、局所的なレーザー溶融とローラーコンパクションによるZ方向の強度向上、in-situおよびAIビルドモニタリング、ハードウェア設計など、複数の基本特許を保有していた。クラウドファンディングなどで資金を集め炭素繊維を配合した軽量で強靭なプロダクトを提供するとしていたが、2023年に経営危機に陥り事業を停止していた。

ストラタシス社は、Arevo社の技術をFDMプリントシステムに採用することで、高性能部品の要件に関連する顧客の採用障壁を取り除き、強度と等方性の向上、より信頼性が高く一貫したビルド、部品の経済性向上のためのシステムスループットの改善などを狙う。

FDMの可能性を拡大

ストラタシス社のチーフ・インダストリアル・ビジネス・オフィサーであるリッチ・ガリティ 氏は、「今回取得した技術により、FDM部品の物理的特性の等方性がますます向上し、顧客にとっての用途が拡大する」と述べている。さらに「この投資は、当社の製造顧客に真の価値を提供するアプリケーションとユースケースに、有機的および無機的なイノベーションを集中させるという当社のコミットメントを継続するものだ。これにより、ストラタシス社は今後も最も関連性が高く魅力的なパートナーであり続けることができる」とも述べている。

イノベーションへの投資戦略

今回のM&AによるIP資産取得は、ストラタシスが有機的なR&Dと技術・IPの取得の両面でイノベーションに投資し、顧客のために実用的な価値を創造するという明確な戦略を反映している。同社のポートフォリオには、2,600件以上の取得済み特許と出願中の特許が含まれており、これが業界の他社との差別化要因となっている。

ストラタシス社は、航空宇宙、自動車、消費者製品、ヘルスケアなどの産業界に向けた革新的な3Dプリントソリューションを提供し、AMへのグローバルなシフトをリードしているのだ。同社のスマートでつながった3Dプリンター、ポリマー材料、ソフトウェアエコシステム、オンデマンドの部品により、製品バリューチェーンのあらゆる段階で競争上の優位性を提供している。

Arevo社の技術を取り入れることで、ストラタシス社は高性能な部品を必要とする顧客のニーズにさらに応えることができるようになる。

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今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中から3つピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。

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