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ゲル3Dプリントで人体の柔らかさを再現する「やわらか記念写真」を実施 ― 株式会社人間、山形大学

やわらか記念撮影

株式会社人間山形大学 ソフト&ウェットマター工学研究室 は、ゲル3Dプリンターで赤ちゃんの肌の柔らかさを再現する取り組みを行った。2022年12月3日(土)~25日(日)には、再現された質感を体感できるイベント「やわらか記念写真 – 赤ちゃんの感触を残す記念撮影」を開催した。 赤ちゃんの頬の柔らかさをゲル3Dプリンターで再現し、赤ちゃんの写真を印刷したパックに封入することで感触を残すという画期的な取り組みが注目を集めた。

山形大学と株式会社人間によるゲル3Dプリンターを用いた質感再現の取り組み

12月25日(日)には、1日限定で「会えない2人をゲルがつなげる やわらかテレポーテーション」を開催した。こちらも、人体の一部の感触をデータ化し、ゲルで立体化する取り組みだ。

ゲルによる質感再現の可能性を追求するにあたって、実際にユーザーの反応を得られる意義は大きい。ソフト&ウェットマター工学研究室ではゲル3Dプリンティングの可能性を模索するため、この他にもさまざまな取り組みを実施している。

(出典:株式会社人間 プレスリリース)

質感の再現に使われている「ゲル」とは?

ゲルとは、微小粒子が分散した液体(ゾル)の濃度が高まり、固体状になったものを指す。
ゾルとは、微小粒子が分散した液体のことを指す。身近な代表例が牛乳だ。ゾルは内部で分散した微小粒子によって光が散乱されるため、不透明液体となる場合が多い。

例えば、豆腐、ゼリー、コンニャクなど、私たちの周囲にもさまざまなゲルが存在する。ゲルは分散質の濃度によって柔らかさを制御することができ、保水性が高いことが特徴だ。

ゲル状造形物を可能にするゲル3Dプリンティング技術による「質感の再現」

3Dプリンティングは物質の形状を自在に制御できる加工ツールだ。しかし、近年では「形状」に留まらず、さまざまな物性を制御できるようになっている。例えば「色」だ。ミニチュア製作や試作造形において色再現が可能な3Dプリンターの需要が高まっている。

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同様に、3Dプリンターで再現できるようになりつつあるのが「質感」だ。

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質感の再現は医療分野において特に高い需要がある。外科手術用の練習用模型は、医師の執刀経験を高め、手術の成功率向上に貢献している。

上記関連記事の例で使われているのは樹脂3Dプリンターだが、山形大学 ソフト&ウェットマター工学研究室では、「ゲル3Dプリンター」を用いた質感の再現に取り組んでいる。

ゲルの種類は、ほとんど液体のような柔らかさのものからゴムのように硬いものまでさまざまだ。物体の質感を再現するという用途で樹脂3Dプリンターの表現力の幅を大幅に高めることに貢献している。
ゲル3Dプリンティングの実用例はまた多くないが、武庫川女子大学の「3Dフードプリンターのインクとして豆腐を使う研究」のような事例も出てきている。今後は再生医療や食品などの分野において需要が伸びていくだろう。

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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