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GM社がキャデラックの新型最上位モデルに、これまでで最多の3Dプリント部品を採用

「セレスティック」のイメージ 出展:GM社

アメリカのミシガン州デトロイトに本拠を置く自動車メーカーのゼネラルモーターズ(GM)社は、自社ブランドの「キャデラック」の新型最上位モデル「セレスティック」に、これまでのどのGM車よりも多くの3Dプリント部品を採用することを発表した。(画像は「セレスティック」のイメージ 出展:GM社)

超高級電気自動車(EV) 「セレスティック」の特徴

「セレスティック」はGM社が8,100万ドルを投じて製造される超高級電気自動車(EV)として設計されたセダンだ。GM社の最先端の技術が惜しみなくつぎこまれ、ガラスルーフや屋根とボディをつなぐ柱であるピラーをはじめ、合計で100以上のプラスチックと金属の3Dプリント部品が搭載される予定だ。8,100万ドルもの巨額の投資資金は手作業での製造に必要な設備の購入と設置に使われるとのこと。

GMのグローバル・マニュファクチャリング&サステナビリティ担当副社長であるGerald Johnson氏は、この投資について「GM社がいかに環境問題に取り組んでいるかを示すものです。GM社のEV改革に対する我々のコミットメントを示す好例であり、我々の製造ノウハウをキャデラック・ブランドの唯一無二の超高級車に適用するものです」と述べた。

GM社の積極的な3Dプリンター活用

GM社は30年以上前から3Dプリンターを導入し、プロトタイプ製作に活用し続けてきた。2018年にはAutodesk software社と提携し、3Dプリント技術を用いた車両開発を進めている。これにより車両の平均質量を約160キロ軽くすることに成功した。

また、車両組み立て工場で用いる工具を3Dプリンター製のものに切り替えることで、3年間で30万ドルものコスト削減を達成している。3Dプリンターの活用がコスト面でも開発でも貢献している好例と言えるだろう。

GM社の「3Dプリント産業化センター」 出展:GM社
GM社の「3Dプリント産業化センター」 出展:GM社

GM社は、2020年には自社の研究施設内に、3Dプリントに特化した大型施設であるAIC(Additive Industrialization Center)を開設している。金属とポリマーの部品を印刷する24台の3Dプリンターが設置された。FDM方式(熱溶解積層方式)の3Dプリンターをメインに、選択的レーザー焼結(SLS)や選択的レーザー溶融(SLM)など、さまざまな印刷手法をテストすることが可能だ。
AICについてはShareLabNEWSで過去に詳しく取り上げている。ぜひそちらも参照してほしい。

米GM、自動車産業における3Dプリンティング実用化に向けた施設を新設

自動車業界に広がる3Dプリンター活用

3Dプリンターを積極活用している自動車メーカーは、GM社だけではない。3Dプリンターを活用してコストダウンや生産効率化を図るケースや、純正のオーダー品や台数限定モデルの生産に適用するケースが増えている。日本でもトヨタ社がすでに販売を終えて入手が困難になっていた車両の補給部品を、3Dプリンターを用いて復刻し、純正部品として販売したケースがある。

ShareLabNEWSでは、自動車メーカーのさまざまな3Dプリンター活用について記事にしている。ぜひ、世界的な3Dプリンター活用の波を感じてほしい。

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