COBOD社の建設3Dプリンターが、稼働を開始
世界各国に導入事例を持つCOBOD社建設3Dプリンターが、米国内で初の稼働を開始した。
フロリダ州ウェストパームビーチに設置されたCOBOD社建設3Dプリンターを導入したのは、建設系スタートアップ企業のプリンテッド・ファーム社。同社初の建設3Dプリンティングはすでに始まっており、地元農家の農作業用具倉庫を製造しているとのこと。(画像は、COBOD社公式サイトより引用)
(本ニュースサイトが取り上げた最新の「建設×AM技術」の記事はこちらをご覧ください。)
3Dプリンター導入の背景―米国、建設人材の人件費が軒並み高騰
プリンテッド・ファームの創業者ジム・リッター氏によると、同氏はフロリダ州で別の建設プロジェクトを担当、コスト計算などを行ったところ、人件費が高騰していてコスト的に回収できないという結論に達したという。
アメリカでは現在、フロリダ州、ニューヨーク州、テキサス州、カリフォルニア州などの人口が多い州において、建設人材の人件費が軒並み高騰しており、問題になっている。住宅市場と言えば、新型コロナ禍で大きく落ち込んだイメージがあるが、その後は住宅ローン金利の低下や都市部から郊外への移転需要の増加で急ピッチで回復しているのが現状だ。その人件費問題を回避するため、リッター氏は、プリンテッド・ファームを設立し、ベルギーからCOBOD建設3Dプリンターを輸入した。
現在、COBOD建設3Dプリンターが世界各地で稼働し始めていますが、建設3Dプリンター産業が成長を始めた兆候です。
現在、建設3Dプリンターはアダプターステージにあり、パイオニア企業が市場シェアを奪取できる状態です。建設3Dプリンターは試験フェーズを終了し、実務レベルで活用すべき段階に突入しています。
プリンテッド・ファーム、創業者ジム・リッター氏
人材不足やコスト高騰などの業界課題は、日本でもアメリカでも変わらない。AM技術などの先端テクノロジー技術を活用し、より効率的かつ本質的な課題解決を目指すべきではないだろうか。また世界の3Dコンクリートプリント市場は、2020年から2027年までに106.5%のCAGR(年平均成長率)を記録するとのレポートもある。
COBOD社について
建設用3Dプリンターと建築現場の自動化プロセスを設計することで、建築業界の完全自動化を目指す企業。門型の3Dプリンターを扱う。同社建設3Dプリンターは、これまでにデンマーク、ドイツ、ベルギー、サウジアラビア、UAEなどで世界各国で採用され、住宅やオフィスビルディングの建設など幅広い住宅分野に使われている。
「BuildingonDemand」の略であるBODプロジェクトなるものも手掛けており、デンマーク政府が資金提供したプロジェクト「3D Construction Printing」に参加したことから、生まれたものだ。世界中の35を超える3D建設印刷プロジェクトを訪問し、ヨーロッパの厳格な建築基準を満たす建物を3Dプリンティングすることに挑戦した気概溢れるプロジェクトだ。以下、公式動画で概要を把握できる。同社の3Dプリンターによる造形の様子も分かるので、ぜひご覧いただきたい。
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