UltiMaker社が新型3Dプリンター「MakerBot Sketch Sprint」を発表
UltiMaker社(オランダ)が、教育機関向けに新型3Dプリンター「MakerBot Sketch Sprint」を発表した。この製品は、教育現場での利用を前提に設計され、印刷速度や安全性、操作性が大幅に向上している。学生がより多くの実践的プロジェクトに参加し、創造性を発揮するための環境づくりを支援する狙いがある。(上部画像はUltiMaker社の新型3Dプリンター「MakerBot Sketch Sprint」出典:UltiMaker社)
目次
教育現場に最適な高速・高精度・安全性を備えた3Dプリンター「Sketch Sprint」の特徴
「MakerBot Sketch Sprint」は、一般的なデスクトップ3Dプリンターに比べて約5倍の速度で印刷が可能で、デザインから印刷までのプロセスを効率化。このため、学生は素早く作品を形にすることができる。また、加熱式ビルドプレートやメッシュレベリング機能、振動補正機能を備え、精密かつ正確な印刷が実現されている。安全性についてもUL(アンダーライターズ・ラボラトリーズ)の「UL 2904」規格を満たし、粒子や化学物質の排出に対する厳格な基準をクリアしている。さらに、HEPA+カーボンフィルターの搭載やPINコードによる不正アクセス防止機能を含む完全密閉構造で、安全な運用が保証されている。
3Dプリンティング教育を支援する豊富なリソースと効率化ツール
同社は「MakerBot Sketch Sprint」のリリースに伴い、600以上のレッスンプランや教育者向けトレーニングプログラム、カリキュラム開発支援、デザイン思考コースなどの豊富な教育リソースも提供する。これにより、教育現場での3Dプリンティング活用がさらに進むことが期待される。
また、「MakerBot Sketch Sprint」はUltiMakerの「Digital Factory」を活用することで、複数のプリンター管理や印刷ジョブのキューイングが簡便になり、学生の作品提出も効率化される。「Cura Cloud」機能によって、「MakerBot Sketch Sprint」に最適化された設定が提供され、印刷の成功率と品質が保証される。
UltiMaker社の概要
UltiMaker社は、主に教育機関や小規模製造業向けに特化した3Dプリンターのメーカーである。特長として、手頃な価格帯ながら高品質な造形パフォーマンスを提供しており、オープンソースのソフトウェアとハードウェアを採用することで、ユーザーが容易にカスタマイズできる点が挙げられる。
具体的な特長は以下の通りである。
- 使いやすさと信頼性
UltiMaker社の3Dプリンターは直感的な操作性と高い信頼性を備えており、特に教育現場での導入が進んでいる。多くのユーザーから信頼される製品設計が強みである。 - 幅広いフィラメント対応
PLAやABSなどの一般的なフィラメントに加え、ナイロンやTPUなどのエンジニアリンググレードのフィラメントも使用可能であり、さまざまな造形ニーズに対応する。 - ソフトウェアとの連携
独自開発のオープンソースソフトウェア「Ultimaker Cura」を提供しており、ユーザーコミュニティによるサポートも充実している。このソフトウェアはプロフェッショナルからエントリーレベルのユーザーまで幅広く利用されている。
さらに、UltiMaker社は近年、MakerBotとの統合を進めており、製品ラインナップの拡充を図りながら、より多様な市場への進出を目指している。この戦略により、教育市場のみならず、製造業における中小企業や個人ユーザーのニーズにも応えられるポジションを確立している。
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