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古代ローマのコンクリートを再現。3Dプリントで人工魚礁を作る!

土木工学科准教授のワルダ・アシュラフ氏。

米テキサス大学アーリントン校の研究者ワルダ・アシュラフ 氏率いるチームは、海洋生態系の保護を目的として、3Dプリンターを活用した斬新なプロジェクトに取り組んでいる。サンゴ礁や魚類の生息地として機能する人工魚礁を3Dプリンターで造り上げる試みを行っている。(上部画像は土木工学科准教授のワルダ・アシュラフ 氏。出典:テキサス大学)

海洋生態系の保護に向けた新たな試み

ワルダ・アシュラフ 氏は、200万ドル(約3億円)の国立科学財団(NSF)助成金を得て、3Dプリントによる人工魚礁の構築を目指す学際的なチームを率いている。このチームのプロジェクトは「3Dプリントされた魚礁による炭素隔離と海岸回復力」と題された研究成果を社会問題の解決に適応する最先端プログラムの一部だ。

過去数十年間、コンクリート、古いタイヤ、古い船で作られた人工魚礁が使用されてきた。しかし人工魚礁のために沈めたタイヤや船舶の部品が海水によって分解され、海洋性マイクロプラスチック問題などの環境汚染を引き起こす懸念があった。ワルダ・アシュラフ 氏はローマ時代のコンクリートを再現することで長持ちし、環境にも良い人工魚礁を造形する計画を進めている。

ローマ時代のコンクリート(出典:バークレー研究所)

3Dプリンターの可能性を活かした人工魚礁

ローマ時代のコンクリートを3Dプリンターを使ってデザインや形状をカスタマイズすることが可能となった。海洋生物の育成に最適な形に造形することによって、特定の生物種に最適な環境を提供できるようになり、海洋生態系の多様性を維持するための工夫を行うことができる。また、3Dプリンターを使用することで、従来の建設方法よりも迅速かつ効率的に人工魚礁を建設できるため、設置する海域にたいする環境負荷も軽減されている。

海洋生態系の保護と再生

ワルダ・アシュラフ 氏は、「3Dプリンターを活用した人工魚礁は、海洋生態系の保護と再生に向けた新たな希望をもたらすものだ。私たちのプロジェクトは、海洋の生態系を守り、持続可能な未来を築くために重要な一歩である」と述べている。

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