3Dプリンター用のSTLデータを無料ダウンロードできるサイト10選
※本記事は2019年11月12日にアップしたものを2022年5月8日現在の最新情報に合わせて更新したものです
近年は新型コロナウイルス対策の一環として、フェイスガードやドアオープナー、PCR検査用テストマネキンのSTLデータをフリーで提供する企業のニュースをよく目にする。今回は ShareLab NEWS 編集部が注目する 3Dプリンター用のSTLデータの無料ダウンロードが可能な海外サイトを紹介したい。
そもそも、STLが3Dプリンター造形プロセスのどの部分で必要になるのか、どのように3Dデータを作るのかなどを知りたい方は以下の記事を参考にしてほしい。
>> 3Dプリンターに必要なソフトウェアとは【3DCAD編】
STLとは
STL(Stereolithography)データは、3Dプリンター用データのファイル形式の1つ。三次元形状を小さな三角形(ポリゴン)の集まりとして表現する。データ構造が単純で汎用性が高く、3Dプリンター業界ではもっとも使用されているファイル形式。すべての立体をたくさんの小さな三角形の集まりとして表現する点に特徴がある。三角形を細くすることで曲面も表現できる。
STLファイルと並んで活用されるのが OBJ ファイルだ。OBJファイルを無料ダウンロードできる厳選サイトを紹介する記事もあるので、あわせてご活用いただきたい。
>> 【2021年最新版】フルカラー3Dプリンター用のOBJファイルを無料でダウンロードできるサイト5選
3Dプリンター用のSTLデータを無料ダウンロードできるサイト10選
2020年から2022年にかけて運営方針の変更や閉鎖など、3D CADのフリーデータを配信していたサイトの変更が相次いだ。改めて2022年現在、最新の3D CADデータを無料配信しているウェブサイトを紹介する。
①Thingiverse
Thingiverseは、3Dプリンター用のデザインデータを無料で提供するサイトの中でも1番知られているのではないだろうか。提供するデザインは210万以上におよび、他サイトのデザイン数を圧倒的に上回る。ジャンルとしては遊び心溢れるホビー系やガジェット系のデザインに加え、実用的なデザインまで幅広い。2020年3月 シンプルなデザインのサイトをリニューアルにより、作品の閲覧性とサイトの操作性の大幅な向上を実現させ、非常に使いやすいサイトとなっている。
②cgtrader
cgtraderは3Dデザインのダウンロードに加えて、自身で作成したデザインを売ることもできる。3Dプリンターで製造が可能なデザイン数は23万程度であるが、データはSTLに限らず、あらゆる3Dプリンターでの製造に対応できるように、さまざまなタイプのデータを提供しているのも特徴だ。
また、大半のデザインはフリーで手に入るが、有料のデータも数多く存在している。ジャンルは家具のように実用的なデザインよりも、ホビー系が多い印象を受ける。自身で作成した自慢のデザインを販売してみてはいかがだろうか。
③MyMiniFactory
MyMiniFactoryも、上述のcgtraderと同様に20万ほどの3Dプリンター用のデザインを提供している。大きな特徴としては、ゲームやアニメキャラクターに力を入れているところだ。プロのデザイナーによって、ディテールに至るまで精巧に作られたデザインを無料でダウンロードができる。加えて、提供されているすべてのデザインに対して品質テストが行われているため、「いざ作ってみたが失敗した」なんてことは起こらない。
また、MyMiniFactoryはデザイナーのコミュニティとしての役割を持つ。定期的にデザイナーの「腕試しイベント」が開催され、デザイナーはそれぞれのイベントのテーマごとに自身が持つ技術を最大限に発揮し、デザイン制作に奮起する。作品を紹介して名前を売ったり、デザインを販売して利益を得ることができる。
④Cults
Cultsは3Dプリンター用のデザインをダウンロードができるサイトの中でも人気が高まっているのサイトの1つである。利用者のコミュニティとしての顔も持ち、デザイナー同士で繋がりを深めることができる。 また、定期的にデザイナーの実力を試すイベントが開かれ、入賞者には3Dプリンターなどの豪華な景品が与えられる。
肝心の3Dプリンター用のデザイン数は12万ほど用意され、他のサイトと比較すると有料のデザインが多いが、無料デザインも多く手に入る。ジャンルも幅広く、ガジェット系、アート系、ファッション系などさまざまである。
⑤GRABCAD
GrabCADは、機械や自転車の部品などの複雑なデザインを提供する、エンジニア向けのサイトである。そのため、日用品やフィギュアなどのデザインを求めて来るユーザーには向いていないかもしれない。ダウンロード可能な3Dプリンター用のデザイン数は9,900程度で他のサイトよりも少ないが、エンジニアによって作られたデザインが多く、ひとつひとつのクオリティは非常に高い。また、GrabCADは「デザインの作り方」のようなチュートリアル動画などを提供しているため、3Dデータ作成の勉強の場やアイデア発掘の場として活用ができる。
⑥YouMagine
オランダに拠点を置く3Dプリンターメーカーの「Ultimaker」が運営する3Dプリントコミュニティサイト。公開されているデータは18,000以上で、すべて無料でダウンロードできる。フィギュアやパーツ系の投稿が多い。
⑦Pinshape
3Dプリント関連の大規模コミュニティサイト。計70,000以上のメーカーとデザイナーが参加している。データは無料のものと有料のものがある。デザイナー自身が売り手となってSTLデータを販売することも可能。注目を集めているデータやデザイナーがピックアップされて表示されるので、ゼロからデータを探さずとも直感的な操作ができる。
⑧printables
約16万件にも上る無料STLデータを収蔵する巨大アーカイブ。3Dプリンターの付属アクセサリーから便利なガジェットまで、さまざまな種類の3Dモデルが収録されていおり、見ているだけでも楽しい。数ある3Dモデルを検索する画面の機能性も高く、直観的に操作が可能。運営しているのはチェコに本拠地を置く個人向け3Dプリンターメーカーのプルサ社。2012年に一人で始めたスタートアップが10年の時をかけ社員数200名をこえるまでに至っている。
⑨Instructables
3Dプリントだけでなく、お菓子作りやハンドクラフトなどさまざまなジャンルの「モノづくり」に関する情報が公開されているコミュニティサイト。単純な設計図やレシピの公開ではなく、調理や組み立ての工程を含んだ動画や記事形式で公開されているのが特徴的。3Dプリントのカテゴリーでは組み立て工程に加え、各パーツデータのダウンロードも可能になっている。
⑩3d CAD DATA
日本発のSTLデータ共有サイト。データ形式はSTLに限定されている。公開されているデータはすべて無料で使用できる。食器・アクセサリー・フィギュアといったカテゴリでの絞りこみの他、VIEW数、ダウンロード数、ライク数ごとのランキングでの並び替えも可能。それぞれの公開データについてはコメントがつけられるので、コミュニティサイトとしても活用できる。
まとめ
以上が、ShareLab NEWS編集部が選ぶSTLデータのダウンロードが可能なサイト 2022年最新版である。他にも同様のサイトは数多く存在しているが、その中でも非常に優れていると思うサイトを厳選している。初めて3Dプリンターを使う人に限らず熟練の人まで、幅広く活用してもらいたい。
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