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次世代3Dプリンタ展2020の見どころ

新型コロナの猛威で来場者の出足が大幅に鈍っている

前回2019年の動員数は66049人。幕張メッセで行われるDMS(設計製造ソリューション展)と合わせて製造業の一大イベントだが、2020年開催の今回は未曽有の動員数の減少に見舞われている。
原因は新型コロナウイルスの流行拡大を懸念する出展社の開催辞退。
出展者側は、ドクターの待機、来場者のマスクの着用義務化とマスクの無料配布、入り口でのサーモカメラによる体温検査などを実施しているが、客足の減少と出展辞退社の増加に歯止めがかかっていない。

内容的に見るべきものが多いだけに非常に残念な事態だ。

企業姿勢としては、多大な事前投資と事前準備を行ったにもかかわらず、来場者、自社社員、パートナーへの感染拡大を懸念して出展自粛を決めた会社は偉い。また「そんな中でも期待値をもって来場してくれる来場者のために、体を張ってブースを続ける出展社」も偉い。開催中止を踏み切らなかったものの、マスクの配布、ドクターの待機、マスクの配布、サーモカメラの設置などできる限りの運営努力を図る運営も偉いと思う。
残念なのはひたすらこの時期に感染拡大が懸念されるコロナが流行ってしまったことだ。

シェアラボ編集部では、展示会主催者が配布してくれるマスクを着けて、三日間会場に張り付き出展者にできるだけ声をきき記事として発信する。できるだけ今までお話をうかがったことがない企業に焦点をあてて、回らせていただいている。
会社の方針で来場は自粛する、という方のために最新状況をお届けできればとおもう。

そんな中でも見どころ

DeskTopMetal

GoogleやPanasonicが出資し、ストラタシスが傘下に欲したアメリカの金属3Dプリンターがデスクトップメタルだ。同社はMIM(金属射出成形)の技術をもとに、オフィスでも設置できる廉価帯金属3Dプリンターを開発。日本では丸紅情報システムズやアルテックなどの商社が紹介しているが、会期中は米国やアジア支社から担当者が直接会場に張り付き、対応を行っている。シェアラボ編集部ではアジアのマーケティング責任者のCK Kan氏のお話を伺う事ができたので、同社の考える新しい金属3Dプリンターのもたらす世界観を紹介していきたい。

エス.ラボ/リコー

射出成形用のペレットをそのまま利用できる独自開発の国産3Dプリンターということで大きな注目を集める同社。まだ見ていない方はその造形スピードの速さと造形領域の大きさをみて実感してほしい。
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ローランドDG、C&C、スワニー

デジタルモールドというキャッチーな名称で樹脂型の可能性をわかりやすく紹介してくれる展示を展開。デジタルモールドに関しては、丸紅情報システムズがクラウド連携した樹脂型データを作成から保管まで一貫してサポートしている件を取材した。

XYZプリンティング/イグアス

個人向け、ホビーユースという印象がつよかったXYZプリンティングだが、2018年から産業用機器への対応を開始し、大きく存在感を示している。日本のマスターディストリビュータを務めるイグアスにその展望と強さを聞いた。
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ダッソーシステムズ

ソリッドワークスなどのソフトウェア製品群をもち、3Dデータ作成ソフトウェアの分野で大きな存在感を示すダッソーシステムズ。最近のリリースで3Dexperience marketplace構想の進展を報告していたが、実際にソフトウェアのメニュー内から自分が作っている3Dデータの見積依頼を行うことができるという取り組みを行っていくという。あらためて同社のブースを見ると、デジタルなモノづくりのデジタル部分を幅広く同社がサポートしている事が実感できる。
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ディーメック

JSRのグループ会社として20数年以上の歴史を持つ光造形機のメーカー。最近JSRが出資したカーボンと共同でブースを構える。ソニーと開発をはじめ、ソニー撤退後、全国200社以上に長年光造形機を提供している同社の話は興味が尽きない。

シーメット

ディーメックと並んで古くから国産3Dプリンターを展開している同社だが、注目なのは砂型3Dプリンター。3Dプリンターで砂型を作り鋳造するというアプローチでコイワイなど古くから積層造形に取り組む企業を支えてきた実績はあらためて話をきくに値する重みがあるだろう。

ダウ東レ

ダウと東レの合弁会社だが、3Dスキャナで足型を図り3Dプリンターで中敷きを作るデンマークの企業に技術提供するなどAM分野でも大きな存在感を示している。

大塚化学

ポカリで有名な大塚製薬のグループ会社だが、中国では射出成形事業をおこったり、自社開発のティスモ、ポチコンなどの材料をもつ。
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一例をあげるだけでもこれだけの企業ブースが思い起こされる。
その他にも企画の面白さだけではなく、実は遊休資産になっている3Dプリンターの保有組織をネットワーク化し、装置を持たないサービスビューロを展開している株式会社メルタや2ミクロンの微細造形ができる中華系3DプリンターメーカーBMF、宝飾向けワックス3Dプリンターを扱う渡邊研電、最近AM分野への参入の多い産業用ガス会社勢としてフランス系のAir Liquide社など、自分の業界や扱う製品に影響がありそうなプレイヤーは多々見つける事ができるだろう。

コロナ危機の今は非常に会場が空いており、入手が困難なマスクも支給される。
逆説的に事務所よりも会場の方が安全かもと私は思って会場に張り付いているのだが、志を同じくされる方は会場を訪れてみてもよいだろう。いつもの展示会とは表情の違う会場に新鮮な発見が得られるかもしれない。

開催概要

【展示会名称】次世代3Dプリンター展(AM Japan)
【会期】2020年2月26日(水)~28日(金)
【会場】幕張メッセ
【主催】リード エグジビション ジャパン 株式会社
【構成展示会】
日本モノづくりワールド
・第31回 設計・製造ソリューション展
・第24回 機械要素技術展
・第28回 3D&バーチャル リアリティ展
・第2回 ものづくり AI/IoT展
・第2回 次世代 3Dプリンタ展
・第2回 航空・宇宙機器 開発展
・第2回 工場設備・備品展
・第1回 計測・検査・センサ展

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