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Manuevo社がShapeways社を買収、ヨーロッパでの3Dプリントサービスを再始動

Manuevo社のプレスリリース。

Manuevo BVは、Shapeways BVの元従業員チームによって設立され、破産したShapeways社を買収し、3Dプリントサービスを再開した。新たに独立した企業として、主にBtoB市場向けに高品質な積層造形サービスを提供し、特に自動車、航空宇宙、建築、医療技術、半導体などの業界向けに小中規模の生産に焦点を当てる。Shapeways社の経験を活かしつつ、新しい体制で市場の信頼を取り戻すことを目指す。(上部画像はManuevo社のプレスリリース。出典:Manuevo社)

Shapeways社破産後の新たな始まり

Shapeways BVの破産は、多くの顧客と従業員にとって突然の出来事であった。Shapeways社は、3Dプリント業界において確固たる地位を築いていたが、親会社のアメリカ本社が経済的困難に直面し、結果的に破産に至る。しかし、Shapeways BVのオランダにある従業員チームは、Shapeways社の資産を買収し、Manuevo社という新たな名前で事業を再始動することを決定した。Manuevo社は、従来のShapeways社のノウハウと顧客基盤を活かしつつ、新たな企業として独立した経営を目指している。

Manuevo社のサービス内容と市場戦略

Manuevo社の3Dプリント業界においてのサービスは、具体的に、選択的レーザー焼結(SLS)、HPマルチジェットフュージョン(MJF)、バインダージェッティング、ステレオリソグラフィー(SLA)、および直接金属レーザー焼結(DMLS)など、幅広い積層造形技術だ。また、主にBtoB市場をターゲットにしており、自動車、航空宇宙、建築、医療技術、半導体産業など、多様な産業分野に対して、小中規模の製造サービスを提供する戦略を取っている。さらに、ISO規格に準拠した品質管理体制を維持し、顧客の信頼を確保しつつ、カスタムメイドの製品とサービスを提供することを目指している。

競争力強化と顧客基盤の再構築

Manuevo社にとって最も重要な課題の一つは、Shapeways時代に築かれた顧客基盤を維持し、さらに拡大することである。Shapeways社の突然の破産により、多くの顧客が他のサービスプロバイダーに移行した可能性があるが、Manuevo社はその信頼を取り戻すために積極的なマーケティング戦略を展開している。さらに、従来の顧客に対しては、迅速な再連携のためのAPIの再導入や、カスタマーサポートの強化を図るなど、顧客満足度の向上に努めている。また、新規顧客の獲得に向けて、競争力のある価格設定と高品質なサービスの提供を通じて、市場での競争力を強化していく方針である。

ヨーロッパにおける製造拠点の再開

Manuevo社はオランダのアイントホーフェンにて製造拠点を再開した。この拠点は、ヨーロッパ市場において戦略的に重要な位置を占めており、特にBtoB顧客に対して迅速かつ高品質なサービスを提供する基盤となっている。地元経済への貢献を重視しつつ、地域内のサプライチェーンを強化することで、効率的な生産体制を構築。また、ヨーロッパ全域において輸入関税なしで製品を提供することで、競争力を高めるとともに、顧客のコスト削減にも寄与している。

新たな挑戦と未来への展望

Manuevo社の今後の課題は、Shapeways社の過去の失敗を乗り越え、持続可能な成長を達成することである。特に、破産に至った要因を分析し、それを教訓として新たな経営戦略を策定することが求められる。競争が激化する3Dプリント業界において、Manuevo社は独自の価値提案を強化し、新しい市場セグメントへの進出を目指すことで、持続的な成長を実現する戦略を模索している。

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