完全堆肥化可能な3Dプリントスニーカーを開発 ― Vivobarefoot社
イギリスから始まった革新的な動きが、フットウェア業界に新しい風を吹き込んでいる。Vivobarefoot社は、環境負荷を抑えるための新しいアプローチとして、Balena社と協力し、完全に堆肥化可能な3Dプリントスニーカーを開発した。この取り組みは、単なる製品開発にとどまらず、持続可能な未来への一歩として注目されている。(上部画像はVivobarefootとBalenaのVIVOBIOMEイメージ画像。出典:Vivobarefoot社、Balena社)
3Dプリント技術と持続可能性の融合
Vivobarefootのこのスニーカーは、特殊な樹脂を使用しており、これは産業施設や家庭のコンポスト環境で分解することが可能である。現在、樹脂のリサイクルではリサイクル時の再生コストが大きな負担となっている。火力発電所などの燃料としてリサイクルするサーマルリサイクルが主流で、原料としての再利用は進んでいない。
しかし生分解性樹脂を原料に採用すれば、廃棄時の環境負荷を大幅に軽減可能だ。また3Dプリンティング技術により、無駄を最小限に抑えつつ、個々の使用者に合わせたカスタムメイドを行うことで、資源の有効活用と環境保全が同時に実現される。
自然な足の動きを尊重する靴づくり
環境に優しいことは重要だが、靴作りにもっとも重要なのは履き心地など着用者にとって健康に履けるということだ。この点、Vivobarefootは、足の健康を第一に考える。同社のスニーカーは、足の自然な動きを妨げない設計になっており、無駄なクッションやサポートを極力排除している。これは、人間の足が本来持つ機能を最大限に生かすことを目指している。
Vivobarefootの革命的な目標
Vivobarefootの取り組みは、単に新しいスニーカーを市場に投入すること以上の意味を持つ。彼らの目標は、フットウェア業界における生産方法、素材使用、廃棄プロセスを根本から見直し、持続可能な製品サイクルを構築することにある。Vivobarefootは、足と環境に優しい革新的な製品を通じて、業界全体にポジティブな影響を与えることを目指している。
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