Solukon社が新型SFM-AT1500-Sデパウダーリングシステムを発表
Solukon社(ドイツ)は2015年に設立され、その年に市場最大のマシンであるConcept Laser社の「Xline 2000R(800x400x500mm)」に対応するシステムの開発をスタートした。2020年には、大型部品の分野で再びデパウダーリング技術の実力を証明し、「SFM-AT1000-S」を発表。その後蓄積された豊富な経験が、金属部品向けのさらに大型のシステム開発に生かされている。Solukon社が発表する「SFM-AT1500-S」は、重量物セグメントにおいて最高レベルのデパウダーリングソリューションへの需要に応えるシステムである。
目次
大型部品の可変振動という課題
粉末を流動させるためには、大型部品を強く振動させる必要がある。しかし、この振動がシステム全体に伝わらないようにする必要があるため、Solukon社は全く新しいデカップリング(振動遮断)コンセプトを開発した。このコンセプトにより、部品はどの位置でも最適な振動を与えられ、チャンバーの他の部分は振動の影響を受けない。また、2.1トンまでの重量を持つ部品を移動させるために、新たに開発された超耐久性の駆動技術が採用されている。
新型「SFM-AT1500-S」のチャンバーは100%ステンレス鋼製で、回転テーブルには振動機、ノッカー、ブロワー接続の異なる構成に対応するため、独立して制御可能な4本の圧縮空気ラインが装備されている。
特別な要求に応えるSolukon社クオリティ
この機械は、最高品質の構造に加え、反応性材料に対応した不活性化による最大の安全性と、プログラム可能な2軸回転による確実な洗浄性能を備えている。これらの品質特性は、現在のSolukon社最大のシステムにも適用される。「SFM-AT1000-S」と同様に、大型部品はフロントトップローディング方式でクレーンを用いて簡単に挿入できる。
「SFM-AT1500-S」は、部品のCADファイルを基に理想的な動作シーケンスを自動で計算する「SPR-Pathfinder®ソフトウェア」と互換性がある。統合されたデジタルファクトリーツールのおかげで、洗浄プロセス全体にわたってデパウダーリング手順がユーザーに完全に見える化される。
自動粉末回収に対応
大型部品のデパウダーリング時には、多量の粉末が発生するため、標準の収集容器では容量が不足する。このため、対応可能なSFM-PCU粉末回収ユニットを用いることで、粉末を大型の容器に安全に抽出・収集でき、このプロセスはセンサーで監視される。また、要望に応じて「SFM-AT1500-S」は他社製の粉末搬送システムとも連携可能である。
既に2台が販売済み
このシステムのコンパクトさも、「SFM-AT1500-S」の開発段階でSolukon社と密接に連携していた主要プリンターメーカーが重視していたポイントの一つである。これらのメーカーが、最初の2台を購入した顧客であり、詳細は別途発表される予定だ。
Formnext 2024での「SFM-AT1500-S」とその他の展示
Formnext 2024では、新型「SFM-AT1500-S」がブース12.0 D71でSolukon社のチームによって初披露される。新型モデルに加え、超音波振動を備えた「SFM-AT350-E」も展示される。この中型部品向けシステムは、アップグレードにより「EOS M 400」や「SLM 500」のビルドプレートに対応可能となった。部品重量は最大100kg、サイズは400x400x400mmまたは500x280x400mmまで対応する。チャンバー容量およびそれに伴う不活性ガスの消費量は従来通り低く抑えられている。Solukon社のチームは、Formnext 2024での来場者との交流を心待ちにしている。
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