Stratasys社が、Formnext 2024でIoTプラットフォーム「GrabCAD」と持続可能な新ソリューション「SAF ReLife」搭載の「H350」を発表
Stratasys社は、2024年11月19日から22日にドイツ・フランクフルトで開催される国際的な産業展示会Formnext 2024において、2つの重要な技術革新を発表する。まず、産業向けのIoTプラットフォーム「GrabCAD」を公開し、製造プロセスのリアルタイム管理と最適化を実現する。また、H350 3Dプリンターに新しい「SAF ReLife」ソリューションを採用し、サステナビリティを重視した持続可能な生産モデルを提供する。これにより、Stratasysは生産効率と環境負荷低減の両立を目指し、業界に新たな可能性を提示することを目指している。(上部画像はStratasys社のプレスリリース。出典:Stratasys社)
目次
Formnext 2024での発表の背景と意義
Formnextは、3Dプリンティングと先端製造技術の展示会として、最新技術を披露する場である。Stratasys社の発表は、製造業のデジタル化やサステナビリティの重要性が増す中、革新的なIoT技術と環境配慮型の製造ソリューションに対する需要に応えるもので、Stratasys社はFormnext 2024での発表を通じて、持続可能で効率的な生産体制を目指し、業界に向けた今後の指針を示すことを目的としている。
「GrabCAD」IoTプラットフォームの概要と機能
「GrabCAD」IoTプラットフォームは、Stratasysd社が開発した産業向けIoTソリューションであり、製造業における生産管理のデジタル化と効率化を目指すツールである。このプラットフォームは、クラウド上で3Dプリンターや他の製造機器と接続され、リアルタイムでのデータ収集とモニタリングを可能にする。主な機能には、各機器の稼働状況の監視、パフォーマンスの分析、遠隔操作機能があり、これにより稼働データの即時把握と最適化が行える。さらに、エラーログや稼働履歴を自動で記録・分析するため、予知保全が可能になり、突発的なダウンタイムの削減にも役立つ。
「GrabCAD」の製造現場へのインパクト
「GrabCAD」IoTプラットフォームは、製造現場のデジタル化と管理効率向上において大きなインパクトをもたらすことが期待される。このプラットフォームを利用することで、製造業者は複数の機器をリアルタイムで一元管理できるようになり、各機器の稼働状況や生産データを即座に把握することが可能となる。これにより、機器の故障やダウンタイムの発生頻度を最小限に抑えるとともに、予測に基づいた保守スケジュールの策定が可能となり、計画的な生産が実現できる。「GrabCAD」の導入により、製造現場全体の生産性が向上し、管理の効率化が進むと期待される。
「H350」と「SAF ReLife」ソリューションの特徴
「H350」は、Stratasys社の産業用3Dプリンターであり、高精度で安定した製造が可能なモデルとして評価されている。今回、「H350」に新たに採用された「SAF ReLife」ソリューションは、高速焼結、SLS(選択的レーザー焼結)、およびジェッティングビルドプロセスを含む粉末床融合プリンターで使用された廃棄PA12粉末を、Stratasys H350プリンターで再利用するために効率的にリパーパス(再利用可能化)することができます。また、「H350」はSAF技術による精密かつ安定した造形力を備えており、大規模な生産にも対応できる性能を有している。これにより、Stratasys社は「H350」と「SAF ReLife」ソリューションの組み合わせにより、環境に配慮した効率的な製造モデルを提供する。
環境負荷を抑えた持続可能な生産体制の構築
Stratasys社の「SAF ReLife」ソリューションと「GrabCAD」IoTプラットフォームは、持続可能な生産体制の構築において重要な役割を果たす。「SAF ReLife」ソリューションは、使用済みの3Dプリンティング素材を再利用することで、資源の無駄遣いを削減し、環境負荷の軽減を実現する。また、「GrabCAD」IoTプラットフォームは、機器の稼働データをリアルタイムでモニタリングし、稼働効率を最適化しつつエネルギー消費を抑制することが可能である。Stratasys社はこれらの技術を通じて、CO₂排出削減とエネルギー効率の向上を図り、環境と経済の両立を目指す持続可能な未来を推進している。
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