日本AM協会は2025年5月15日に「2025年度第1回総会・AM交流会・懇親会」を協栄産業株式会社本社事務所(東京)にて開催した。またAM交流会ではデジタルハリウッド大学・大学院教授 星野 裕之 氏の講演があり、懇親会では参加者間の活発な交流、日本のAMについての情報意見交換がされた。今回の総会、AM交流会に、賛助会員としてイントリックス株式会社 ShareLab事業部 丸岡が参加した。(上部画像は日本AM協会2025年度総会資料より引用)
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総会、AM交流会講演の要点
一般社団法人 日本AM協会は、「国内外の3D関連企業と経済産業省を始め関連研究機関を含む産学官連携のもとで、AMによる新たなモノづくりの変革の創出支援を目指し」2022年4月に設立された。
総会では同協会専務理事 澤越 俊幸 氏より、まず正会員会議にて会長、副会長、理事含む全役員の留任が承認可決された報告の後、2024年度の協会の活動、収支状況、2025年度の活動計画と予算について説明があった。
概要として、正会員数は17社と微減となったが、賛助会員45社と増加し、設立時の3倍となった。またメールマガジンの有効配信会員数も7,959名に増加した。次に2024年度活動報告として、2025年4月に初めて東京で開催された「AM EXPO 東京」を含む展示会・セミナー実施が7件あり、合計55社が参加。各種講演や帝塚山中高校における教育機関授業も行った。
2025年度の活動方針として、5回程度の展示会展示、大手企業訪問展示会開催により大手企業AM推進者の支援、AM交流会開催、地域公設試訪問展示会を会員希望アンケート順位により開催する予定。加えて団体・大学での講演、ホームページのポータルサイト化などを方針として示した。また官庁との連携や、中小企業省力化投資補助金のAMカテゴリー登録を2月28日に提出し、登録後はAM製品のカタログ掲載申請を受け付ける予定だ。
総会後に協栄産業のオフィス内エントランスルームのモニュメント「木のリボン」を見学した。

これは世界的に著名な建築家 隈 研吾 氏の制作によるもので、来社した方をプロジェクションマッピングで出迎える。この木製パネル同士をつなげるジョイント部品は、協栄産業が販売する3Dプリンター製品で、紫外線硬化硬質樹脂により製造されたそうだ。

基調講演
AM交流会では、基調講演としてデジタルハリウッド大学・大学院教授 星野 裕之 氏が「Fiction Shapes the Future」の題で講演した。

ヒューマノイドロボットクリエイターとして多くのプロジェクトに関わり、2001年からAMも活用してきた中で、様々なAMが使われてきたプロジェクト事例を紹介した。また現在デジタルハリウッド大学ではファブ施設デザイン監修やデザイン&プロトライピングゼミ、大学院ではフィクションロボットラボでの教育研究の中で、若い世代の中で、一つの専門に絞らず 複数の分野に興味を持ち、継続的に学び、新たな価値を創出できる特性や気質を持つ「マルチポテンシャライト人材」が台頭してきていることや、その卒業制作やビジネスにおいてAMを活用する事例も紹介した。加えて、これから起きることとして、3Dデータをプログラミングで作る「CADプログラマー」の時代が来ること、服飾や歯科の領域でも、デザインの専門ソフトウェアが融和することが起き、Bambu Labのような「売れるものが作れる」ツールが使えるようになり、AMとクリエーターによる新たな職業やビジネスが起きる予測を示した。
まとめ
日本AM協会は、他のAM関連団体や、2025年4月に発足した「日本AM学会」とも連携しながら、日本の製造企業において、企業規模を問わず、AMの導入活用を進めるべく、社内で孤軍奮闘するAM推進者を支援する様々な活動を、2025年度もこれまで以上に進めていく方針であることが本総会を通じて明らかになった。目指す方向を同じくするShareLabとしても、引き続き協力支援をしていく。
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設計者からAMソフトウエア・装置販売ビジネスに20年以上携わった経験と人脈を基に、AMに関わるみなさんに役立つ情報とつながりをお届けしていきます。