株式会社Mirai Pocket(兵庫県神戸市、以下、Mirai Pocket)が運営する「みらいラボ」において、3Dプリンターを活用したコンテスト「滑空ドリフトチャレンジ」が開催され、盛況のうちに幕を閉じた。本イベントは、子どもたちの自由な発想と創造力、さらには実際のものづくりを通じた試行錯誤が融合する場であり、次世代のものづくり教育に対する大きな可能性を示す機会となった。(上部画像はMirai Pocketによるプレスリリースより。出典:Mirai Pocket)
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自作グライダーで競う創造性と技術の融合コンテスト
「滑空ドリフトチャレンジ」は、3D CADを用いて設計し、3Dプリンターで部品を出力・組み立てたオリジナルのグライダーを、ジャンプ台として設置されたスロープから滑走・発射させる競技形式のコンテストである。評価は、飛行距離、飛行中の安定性(軌道のずれの少なさ)、および設計における工夫の3項目に基づいて行われ、これらの要素において総合的な優秀性が求められた。
競技にはレギュレーションが設けられており、機体の大きさは「全長20cm × 翼幅20cm以内」、発射方法は「スロープからの滑走」に限定されていた。これにより、精密な設計と独自の創意を両立させる技術的挑戦が課されていた。参加者は最大で3回の飛行に挑戦でき、その中で最も高いスコアが最終記録として採用されるルールで実施された。

技術と創造性が光る受賞結果発表
第1位:Kさん
飛距離:27cm ズレ:1cm 工夫点:10点
飛行の精度、距離、設計の工夫といった全体的なバランスに優れ、極めて安定した飛行を実現した。総合評価において他の参加者を上回り、見事優勝の座を射止めた。
第2位:Nさん
飛距離:31cm ズレ:21cm 工夫点:13点
飛距離において他を圧倒する結果を記録。軌道の安定性には課題が残ったものの、大胆かつ挑戦的な設計アプローチが審査員から高く評価され、準優勝に輝いた。
第3位:Mさん
飛距離:10cm ズレ:5cm 工夫点:17点
飛距離は短かったものの、設計面での創意工夫において最も高い得点を獲得。ユニークで独創的な設計思想が光り、上位入賞を果たした。
次世代教育への架け橋 拡がる「滑空ドリフトチャレンジ」の可能性
「滑空ドリフトチャレンジ」は、3DプリンターやCADを活用した次世代型教育の可能性を示す実践的な取り組みとして、今後の展開が注目される。今後は地域や学年の枠を越えた広域開催や、企業・教育機関との連携によるプログラム拡充が期待されている。また、より高度な設計課題や飛行メカニズムの導入を通じて、STEM教育との融合も進められ、子どもたちの創造力と技術力の育成に寄与する場としての成長が見込まれる。
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