AIバイオメディカル株式会社(東京都、以下、AIバイオメディカル)は、2025年10月14日、新経営体制と事業戦略を発表し、独自の「AI再生医療革命」を本格始動した。中核技術となるのは、AI・デジタルツイン・5軸3Dバイオプリンティングを統合した「QUANTUM法(特許出願準備中)」である。本技術は、従来困難とされていた成長に追随する再生人工心臓の作製を目指す。注目すべきは、5軸制御による細胞・材料配置の自由度である。従来の3軸プリンタでは実現できなかった血管構造や曲面造形を可能とし、壊死リスクを回避した厚みある臓器の構築が実現に近づいている。
目次
小児心疾患に挑む、日本発の医療ソリューション
日本では、年間数千人の新生児が先天性心疾患を持って生まれるとされている。中でも心臓移植を必要とする重症例は一部に限られるが、国内の小児心臓移植の実施件数は年間十数件にとどまり、待機児童の多くが移植の機会を得られていない。移植医療の発展とともに、慢性的なドナー不足が深刻な社会課題となっていることは、各種学会や医療機関の報告からも明らかである。
QUANTUM法では、患者ごとの医用データから仮想モデル(デジタルツイン)を生成し、AIが細胞配置や血管網を設計。これを5軸3Dバイオプリンターが高精度に再現することで、個別化された成長対応型の再生心臓が提供可能となる。

倫理と創造性が融合した新経営体制
AIバイオメディカルは、共同創業者であり会長の千本 倖生 氏(KDDI創業者)に加え、新たに岡田 武史 氏(元サッカー日本代表監督)、ケン・マスイ 氏(音楽プロデューサー)、早川 宗一郎 氏(F Ventures代表)、大西 勝二 氏(元P&G執行役員)の4名を社外取締役として迎えた。技術革新とともに、倫理、ブランディング、多様性を備えた経営体制を構築した。
医療×ものづくりの未来を担う基盤技術
5軸3Dバイオプリンティングは、医療分野における“次世代のものづくり基盤技術”としても期待される。細胞スケールでの積層精度や複雑形状の対応力は、今後の臓器製造や生体材料開発に広く応用される可能性を秘める。
AIバイオメディカルの取り組みは、国内の積層造形技術と医療工学を融合させる新たなモデルケースとして、再生医療の社会実装を加速させるだろう。
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