3Dプリンターを活用した画期的なシリーズが誕生 立体造形バッグブランド 「BUILD」
JR川崎駅前の複合商業施設「ラ チッタデッラ」に店舗を構えるアパレルショップ「GAMO+Anywhere Out of the World」のバッグ部門「GAMO」が、3Dプリンターで立体造形したバッグブランド「BUILDシリーズ」を発表した。(画像はバッグブランド「BUILDシリーズ」のアイテム 出典:チッタ エンタテイメント社)
3Dプリントバッグブランド「BUILD」
BUILDシリーズのバッグは、本体がTPU(熱可塑性ポリウレタン)、持ち手やベルト部分が牛革で作られている。接続部分は素材をプレスするのと同時に熱を発生させ素材を溶かし、加圧と冷却によってくっつける高周波ウェルダー加工が、牛革は艶のガラス加工が施されている。
本体部分の用いられたTPUとは、医療器具にも使われるもので、軽くて柔らかい素材でありながら耐久性が高くニオイもない素材だ。
TPUは、3Dプリント業界においては、フランスの自動車ブランドPeugeotの新型車のカーアクセサリーや、3Dプリンターで作成する世界初のオーダーメイドの犬用シューズ「DogSoxx」の素材として用いられた事例などを過去にShareLabNEWSでも取り上げている。
BUILDシリーズは、既存の要素にとらわれず、自由な発想で思いのままのデザインを創造することをコンセプトに掲げ、誕生したバッグブランドだ。造形の自由度の高い3Dプリンターは、このコンセプトを満たすのに最適な生産ツールだと言える。
洋服や小物といったファッションアイテムは、ブランドの定番品であっても少しずつ改良や修正が行われ続ける。柔軟な小ロット生産が求められるという点も、バッグ作製に3Dプリンターが採用された一因かもしれない。
アパレルで積極活用される3Dプリンター
国内外を問わず、アパレル業界では実際に購入できる3Dプリント製の商品が登場し始めている。
3Dプリンターなら、機械や手作業でも作製が困難なものであっても3Dデータがあれば容易に造形可能だ。従来製品にはないデザインや、作家性を活かしたデザインを行えば、アパレルブランドとしての特色を広くアピールすることにもつながるだろう。3Dプリンターは金型を必要としないため試作や微調整も容易に行え、小ロット対応も可能だ。
既にスニーカーブランドでは3Dプリントの積極活用が始まっており、その波がアパレル業界全体に広がっていけば、アパレルの生産体制そのものを大きく変えることになるかもしれない。
ShareLabNEWSが過去に取り上げたアパレル業界における3Dプリンター活用を以下のリンクにまとめた。そちらもぜひ、ご覧いただきたい。
https://news.sharelab.jp/category/cases/apparel/
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