1. HOME
  2. 業界ニュースTOP
  3. 製造業AIデータプラットフォーム「CADDi」を発表、部品・組立品製造サービスを終了 ― キャディ株式会社

製造業AIデータプラットフォーム「CADDi」を発表、部品・組立品製造サービスを終了 ― キャディ株式会社

キャディ株式会社のプレスリリース。

キャディ株式会社(東京都台東区)は、新たな構想、製造業AIデータプラットフォーム「CADDi」(現CADDi Manufacturig)を発表した。図面データの管理・解析を中心に、見積もり業務の効率化を実現することを目指している。また、キャディ社は部品・組立品製造サービスの終了を決定し、データ管理とAI技術を駆使した新しい価値提供に注力する。(上部画像はキャディ株式会社のプレスリリースより。出典:キャディ株式会社)

製造業AIデータプラットフォーム「CADDi」を発表、部品・組立品製造サービスを終了

キャディ社が部品・組立品製造サービスを終了と共に今回発表した「CADDi」の主な目的は、製造業における図面データの管理と解析を通じて、見積もり業務の効率化を図ることである。従来、製造業では図面データの管理が煩雑であり、見積もり作業にも多くの時間と労力がかかっていた。「CADDi」は、これらの課題を解決するために、AI技術を駆使して図面データを自動で解析し、見積もり依頼先の選定や価格査定を行うことで、業務の効率化と生産性向上を目指している。
一方で、キャディ社は製造産業にグローバルでアプローチしてきたが、600人規模では規模が小さすぎることをアメリカで痛感していたという。二つの事業を中途半端に行っていては業界を変えられないとも。そこで、ソフトウェアを中心に据え(部品・組立品の製造サービスを終了させて)2つの事業を統合し、1つにまとめる決断を下した。

新構想「製造業のAIデータプラットフォームCADDi 」の概念図
新構想「製造業のAIデータプラットフォームCADDi 」の概念図(出典:キャディ株式会社)

図面データの活用と管理

「CADDi」の重要な機能の一つは、図面データの活用と管理である。「CADDi Drawer」を使用することで、図面データをクラウド上で管理し、自動解析によってテキスト情報や寸法、材質、表面処理などのデータを瞬時に構造化できる。これにより、必要な図面を迅速に検索し、過去の発注実績や価格情報と結びつけることが可能となる。また、AI技術を活用して類似図面の検索を行うことで、設計業務や見積もり業務の効率化を図る。

AI見積もり機能の詳細

「CADDi Quote」は、AIを活用した見積もり機能を提供する。図面データに基づいて見積もり依頼を自動化し、サプライヤーの選定や価格の査定を行うものである。具体的には、過去の類似図面の発注実績をもとに、最適なサプライヤーを自動で選定し、見積もり価格を査定することができる。また、見積もり依頼先のサプライヤーがWeb上で見積もり回答を行うことで、即時にバイヤー側で比較・検討することが可能となる。これにより、見積もりプロセス全体の効率化と透明性の向上が実現される。

受発注データの一元管理

「CADDi Drawer」と「CADDi Quote」の連携により、受発注データを一元管理することができる。図面データから見積もり依頼、受発注までの一連のプロセスをクラウド上で管理することで、データの整合性を保ちつつ業務を効率化する。具体的には、図面データに紐づく見積もり価格やサプライヤー情報を自動で連携し、過去の取引データを資産として活用することが可能である。

「CADDi」の今後とAMへの影響

終了する部品・組み立て製造サービス、製造業AIデータプラットフォーム「CADDi」に直接AMは関係していない。しかし、「CADDi」が示した製造業の課題と解決方法は、AMを含むデジタルマニュファクチャリングが目指す解決方法と近いことから、今後「CADDi」データプラットフォームの活用が拡大することは、AM活用が進む追い風になる可能性があるとみている。

従来から、3D形状デジタルデータには寸法、公差、製造要件、注釈などの設計ノウハウを含む情報を付与でき、上流工程のCAEデータやBOM、加工後の形状計測データも関連付け、また検索もしやすい。加えてAM製造は加工条件、加工中ログデータもデジタルデータであり、記録と関連付けがしやすく、「CADDi」との親和性は高いとみられる。また、「CADDi」の機能であるAIを活用した見積もり機能でも、AM製造のデータが多く学習されれば、最適な工法としてAM製造やその依頼先が適切に選定される可能性もある。このような波及効果も含め、今後の「CADDi」の動向には引き続き注目していきたい。

ソフトウェアの関連記事

今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中から3つピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

資料ダウンロード 3Dプリンティング国内最新動向レポート

サイト内検索

関連記事