「フォームネクスト アジア 東京 フォーラム 2025」が閉幕

2025年10月3日

アディティブ・マニュファクチャリング(AM/積層造形)に特化した国内有数の専門イベント「フォームネクスト アジア 東京 フォーラム 2025」が、2025年9月25日と26日の両日、東京都立産業貿易センター浜松町館にて開催された。主催はメッセフランクフルト ジャパン株式会社であり、今回で6回目の開催となる。(上部画像は「フォームネクスト アジア 東京 フォーラム 2025」Webサイトより。出典:メッセフランクフルト ジャパン株式会社

52社が出展、延べ907名が来場し活発な交流の場に

会場にはイギリス、オーストリア、韓国、スウェーデンの企業を含む52社が出展。最新のAM関連技術やサービスを紹介し、2日間で延べ907名が来場した。展示ブースやラウンジでは、資料や試作品を手に取りながら熱心に商談を行う姿が目立ち、国内外のビジネス交流が活発に展開された。

シェアラボブースでの公開対談と「シェアラボTV」での発信

シェアラボも会場にブースを設け、AM業界の関係者を招いた公開対談を実施。業界の第一線で活躍する企業との議論を通じて、技術動向や市場の展望について来場者と共有し、交流の場をさらに広げる役割を果たした。当日の模様はYouTubeチャンネル「シェアラボTV」(https://www.youtube.com/@ShareLabTV)で随時公開しており、会場に来られなかった関係者やAMに関心を持つ視聴者も情報を得られるようになっている。

出展企業が語る成果と手応え

出展者からも高い評価が寄せられている。マテリアライズジャパンの小林毅氏は「EOSジャパンやNTTデータ ザムテクノロジーズと共同開発した成果を広く知ってもらうために出展した。既存の取引先とも直接意見交換できた」と語り、Interspectral AB CEOのイザベル・アシェット氏は「日本市場に本格注力しており、今回の来場者との名刺交換の一部は具体的な案件に進みつつある」と成果を強調した。また、初出展の三和デンタル高尾満氏も「70枚近い名刺交換を通じて、今後のビジネスにつながる手応えを得た」と振り返った。
来場者からは、金属積層造形の用途拡大に新たな発見を得たという声もあがっている。株式会社コトコミュニティの土屋光生氏は「軽量化だけでなく、高圧対応や微細孔形成といった応用可能性を学べた」とコメントした。

「フォームネクスト アジア 東京 フォーラム 2025」の会場の様子と出展製品。出典:メッセフランクフルト ジャパン株式会社

24本のセミナーで国内外の最新情報を発信

セミナープログラムも充実しており、2日間で計24本が実施された。「主催者特別セミナー」には豊田自動織機の大岩洋之氏、JAXAの寺島啓太氏、経済産業省や防衛省の担当者、日本AM協会の澤越俊幸氏らが登壇。AM活用の最新動向や研究成果を紹介し、多くの聴講者が耳を傾けた。ある防衛関連メーカーの来場者は「海外と日本のAMの差を理解できた。業務に直結する知見を得られた」と語った。

ドイツ本家「Formnext」との連携強化で存在感を拡大

なお、この東京フォーラムは、ドイツ・フランクフルトで開催される国際見本市「Formnext」の姉妹イベントである。本家「Formnext」には2024年に864社が出展、34,404名が来場しており、2025年11月18日~21日の開催には既に800社以上の参加が予定されている。
本年の東京開催は、AM業界の発展と交流の拠点としての存在感を一層強め、出展者・来場者・メディアを巻き込んだ成果のある2日間であった。

シェアラボが描く今後の展望と業界への貢献

「フォームネクスト アジア 東京 フォーラム 2025」は、国内外の企業や研究者が集い、AM業界の最新動向を共有し合う重要な機会となった。シェアラボは今回の出展を通じて、多様な立場の関係者との公開対談を行い、その様子を「シェアラボTV」で発信することで、現場に来場できなかった人々にも情報を届けることができた。これは、知見のオープン化と業界内の情報循環を促進する一歩であると考えている。

今後もシェアラボは、展示会やフォーラムと連携しながら、AM技術の発展や市場拡大に貢献していく。具体的には、技術解説やインタビューを通じて業界関係者の声を広く発信し、日本のAM産業が国際的に競争力を持ち続けるための情報基盤を築いていきたい。さらに、実務に直結する知見を分かりやすく届けることで、研究者、製造業、スタートアップといった多様なプレイヤーがつながる「ハブ」としての役割を一層強めていく所存である。

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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