高知アニクリサマーキャンプ2025、来場者1000人超!3Dプリンター体験も大盛況

プレスリリースより。(出典:高知アニメクリエイター聖地プロジェクト実行委員会、高知信用金庫)
プレスリリースより。(出典:高知アニメクリエイター聖地プロジェクト実行委員会、高知信用金庫)

高知アニメクリエイター聖地プロジェクト実行委員会は、2025年8月2日から5日にかけて「高知アニクリサマーキャンプ2025」を開催した。会場のドットコムプラザ帯屋町には延べ1,064名が来場し、アニメ・造形・デジタルアートの体験を通じて、クリエイティブ産業の可能性を実感する4日間となった。イベントは「クリエイティブ体験発見エリア」と「クリエイタースキルアップエリア」に分かれ、プロによるトークショー、アニメ制作ワークショップ、そして3Dプリンターを使った造形体験が注目を集めた。

3Dプリンター×アニメ造形

来場者の関心を集めたのが、海洋堂高知による「3Dフィギュアランド」である。来場者が自身の全身を3Dスキャンし、3Dプリンターで自分のフィギュアを制作するという体験コンテンツだ。高精度スキャニングと積層造形技術を組み合わせたこの試みは、近年、アニメ・造形業界で注目される「デジタルからリアルへ」の流れを象徴している。経済産業省の技術調査でも指摘されているように、日本の金属・樹脂積層造形技術は製造業のみならず、文化産業においても応用が広がっている。特に3Dスキャンデータからの造形プロセスは、工業用途だけでなく、キャラクター造形・フィギュア制作などクリエイティブ領域において高い需要を見せている。

「3Dフィギュアランド」
「3Dフィギュアランド」

海洋堂高知のブースでは、3Dプリンターによるフィギュア製作デモに加え、ソフビ塗装や立体造形の工程も体験でき、3Dプリント造形を軸にした「デジタル×手仕事」の融合が多くの若者にインスピレーションを与えた。

若手育成と地域創生のハブへ

もう一つの注目トピックは、次世代クリエイター育成を目的とした『高知アニメクリエイターアワード2026』の説明会だ。昨年度グランプリのShuzuku氏が登壇し、作品制作や学生時代の経験を共有。創作への情熱を語る姿に、多くの来場者が刺激を受けた。

このような取り組みは、地方発の人材育成・産業育成の成功モデルとしても注目される。アニメやフィギュアといった表現分野においても、3Dプリンターを活用したデジタル造形スキルが求められており、同イベントはその実践の場となっている。

造形産業の裾野を広げる地域イベントの意義

シェアラボが注目したいのは、こうした地域イベントが「3Dプリンティング技術の社会実装」を体験レベルで広げている点である。

経産省資料によると、日本の積層造形技術は世界的に高水準だが、課題は「ユーザー層の拡大」にあるとされる 。高知のような地域イベントで、子どもから学生、アーティストまでが3Dプリンターに触れる機会を持つことは、技術の普及に直結する。

金属積層造形が航空宇宙・自動車などの基幹産業を支える一方、樹脂系3Dプリンターはアニメ・アート・教育分野への応用で裾野を広げている。「高知アニクリサマーキャンプ2025」は、その象徴的なイベントであり、次世代クリエイターが3Dプリンターを“表現の道具”として使いこなす未来を予感させるものとなった。

今後の展開

高知アニメクリエイター聖地プロジェクトは、今後も地域と産業、教育を結ぶプラットフォームとして、クリエイター支援を継続する方針だ。
3Dプリンターを活用した造形教育や地域産業との連携が進めば、「ものづくり×アート×デジタル」が融合する新しい高知発のイノベーションモデルが生まれるだろう。

教育の関連記事

今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中からピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

関連記事を探す

記事検索

1823の記事から探す

最新記事

編集部のおススメ記事