滋賀大学地域連携教育推進センターと大洋産業株式会社は連携協定を締結し、「モノづくりプロジェクト2025春『3Dプリントによるものづくりの実践と製造業の海外展開を学ぶ』」を開講した。本プロジェクトは、製造業の現場体験と3Dプリンティングの実践を通じて、ものづくりの本質的価値やグローバル社会での働き方を学ぶことを目的とする。経済学部・データサイエンス学部の2~4回生20名が履修し、4月から7月まで全15回にわたり講義と実習を行った。(上部画像は滋賀大学の産学公連携推進機構より。出典:大洋産業株式会社、滋賀大学地域連携教育推進センター、滋賀大学)
目次
現場から学ぶグローバル製造業のリアル
4月16日に開講した初回講義に続き、4月23日には彦根市の大洋産業本社工場で第3回講義として工場見学が実施された。学生たちは実際の製造現場を見学し、同社の海外展開の現状や課題について説明を受けた。文化や価値観の違いがもたらすビジネス上の課題、日本と東南アジアの連携の必要性、先進的な共同研究から生まれる新規事業の可能性など、多角的な視点からの意見や質問が寄せられた。


日常を便利にする学生発アイデア!3Dプリンターで形に
4月30日以降は「3Dプリンティング概論」「CAD基礎演習」「製品企画・設計実習」などを通じ、デジタル技術を活用したものづくりを探求。最終段階では「大学生の日常生活をちょっと便利にするもの」をテーマに製品を企画・設計・造形した。ベルト用ハンガー、ペンスタンド、ドリンクホルダーなど、学生自身の課題意識から生まれたアイデアが形となった。


学生たちの成果を披露!最終報告会で活発な議論と気づき
7月9日と16日に行われた最終報告会では、学生たちが試作した製品を持参し、コンセプトやターゲット、工夫した点を5分間でプレゼンテーション。同社社員や履修学生同士で質問・評価を行い、活発な意見交換が行われた。経済学部3回生の宮川莉緒さんは「製造業についての理解が深まり、女性や文系でも関われる業界だと感じた」と語り、地域連携教育推進センター長の柴田雅美氏は「トライアンドエラーで改善していく今のものづくりを学生が理解できた」と総括した。
3Dプリンターの魅力を次世代へ
大洋産業の小田柿喜暢社長は「学生のアイデアには実用化できる可能性があるものもあった。3Dプリンターは試作から検証までを短期間で行える魅力的な技術。今後もその魅力を伝えていきたい」と意欲を示した。
本プロジェクトは、若者の人材育成と地域活性化に寄与しつつ、最新の製造技術と国際的視野を兼ね備えた人材育成を目指す取り組みとして継続される予定である。
産学連携の関連記事
今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中から3つピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。
国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。