B2B向け3Dプリント製造ソリューションを提供する3D Printing Corporationが総額約1.3億円を資金調達
概要
B2B向けに3Dプリンターを活用した製造の総合ソリューションを提供する、株式会社3D Printing Corporation (所在地:神奈川県横浜市)は、株式会社みらい創造機構、やまなし新事業応援投資事業有限責任組合より総額約1.3億円の資金調達を行った。今回の調達を通じ、試作から大量生産まで可能な3Dプリント工場の開設や事業の成長を加速させるための人材採用、事業会社とのさらなる連携、提供サービスの認知向上を行い、日本の製造業における3Dプリント運用の普及を目指す。
3D Printing Corporationの事業内容
3D Printing Corporationは、3Dプリンターを活用した製造の総合ソリューションを提供している。
3Dプリント専用の設計(DFAM:Design for Additive Manufacturing)および製造方法のコンサルティング以外にも、国内最大級の機種数を揃えた3Dプリンター及び関連機器の販売からアフターサービス、そして試作から量産まで対応する3Dプリンターによる造形出力サービスと、幅広い事業を展開している。
彼らの持つ技術について
3D Printing Corporationは、金型などの従来の製造方法では不可能であった形状や成果を実現する3Dプリント専用の設計(DFAM:Design for Additive Manufacturing)および3Dプリンターを活用した製造方法に技術的な強みを持っており、3Dプリントにおいては総合的なコンサルティングができる国内唯一の企業という自負があるという。
現在、3Dプリンターで成形する構造に特徴的な構造を組み合わせることで振動抑制機能を持たせる特許を出願しており、自動車部品への実用化にむけて、大手企業と共同研究を進めている。
また、金属材料に比べて大幅なコストダウンが可能なカーボン複合材料を使用した3Dプリント製造にいち早く着目し、独自の技術開発を進めているそうだ。その技術開発を牽引するCTO 古賀氏は、東京工業大学で3Dプリントカーボン複合材に関する研究の博士号を国内で初めて取得。国内のカーボン複合材を使用する3Dプリントの設計標準化組織では中心的な存在となっている。
事業の状況
コンサルティング事業においては、自動車関連で「新機能としての振動抑制・軽量化・高強度の共同開発」、医療関係で「人体適合(義手・義足)・マスカスタマイゼーションの実験」、建設関連で「熱伝導率を高める構造体の共同開発」など大手企業とのプロジェクトが進行している。また、大手材料メーカーと「3Dプリンター専用の新規FRP材料の共同開発」も進めている。
現在新たに進めている新オフィスでのB2B向けの大量生産対応・大型出力可能な総合的な造形出力サービス事業については、既に様々な企業から問い合わせを受けており、これを機会に国内の3Dプリント製造の総合的なソリューションを提供する企業としての地位を確立し、事業拡大を目指すという。
編集後記
ShareLab編集部からも先日渋谷で行われた彼らによる主催のイベント「いまさら聞けない、製造業の3Dプリント」に参加してきたが、こうした草の根的な3Dプリンティングにおける啓蒙活動も地道に行っている企業だ。一見、時代の最先端を行く派手な印象を持つかもしれないが、彼らは3Dプリンティングにおける日本の実情を理解しつつ、堅実かつ着実に事業を進めていると感じている。編集部としてもコンサルティングにおいてお勧めできる企業の一つだ。3Dプリンティングについて困りごとがある企業体は、一度相談してみると良いだろう。
補足として、助成金や補助金に興味のある方はこちらの記事をお勧めする。
>> ものづくりを応援! 助成金、補助金で3Dプリンターを賢く購入
関連情報
>> 会社HP
会社名 :株式会社3D Printing Corporation
所在地 :神奈川県横浜市鶴見区小野町75-1
代表者 :最高経営責任者 デヴォア アレキサンダー
設立 :2016年3月
E-mail:info@3dpc.co.jp
TEL: 055-207-3664
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