Oechsler社、HP社・AMT社と提携を結び、3Dプリントの生産能力を拡大
ドイツに本社を構えるプラスチック技術企業のOechsler社は、OEMとして他社ブランドの3Dプリンターを製造するHP社(アメリカ)と、後処理加工機メーカーのAdditive Manufacturing Technologies(AMT)社(イギリス)と提携を結んだ。これによりOechsler社は自社が持つ3Dプリントの生産能力を大幅に拡大する。
Oechsler社のプロジェクト概要
Oechsler社はHP社独自の技術「Multi Jet Fusion(MJF)」が搭載された3Dプリンターと、AMT社と共同開発した完全自動後処理システムを用いて、ドイツのアンスバッハにある工場での3Dプリンティングサービスを拡大させた。
Oechsler社はこれまで自動車、スポーツ用品、医療技術、製造業といった主要産業において、全世界で150台以上の3Dプリンターを導入し、部品の軽量化、柔軟な設計、さまざまな高機能化などの3Dプリンティングを活用したプロジェクトに数多く着手してきた。今回の提携によりそれがさらに拡大する見込みだ。
Oechsler社は、粉末素材を用いた3Dプリントの量産を実現するため、アンスバッハの工場に3Dプリント機能を集約している。今後はさらに800㎡拡張し、多数のHP社製 MJF3Dプリンターを設置する予定だ。
今後の展開について
Oechsler社のグローバル製品・技術開発担当上級副社長のMatthias Weißkopf氏は、「当社は3Dプリントによって新しい製品カテゴリーと市場に参入し、製品ポートフォリオをさらに多様化することができました。HP社製3Dプリンターによる連続生産の拡大は、3Dプリンティングの分野において、メーカーに依存しない開発・生産パートナーとしてOechsler社を確立するという当社の戦略を反映したものです」と述べた。
また、提携企業AMT社のCEO兼創業者のJoseph Crabtree氏は
「Oechsler社がAMTと提携したことを誇りに思います。我々が開発した完全自動のエンドツーエンドの後処理システムにより、Oechsler社は今後、3Dプリント部品の連続生産において大幅な効率化を実現し、世界規模での積層造形能力の工業化をサポートすることになるでしょう。」と述べている。
今回のプロジェクトと同様に、3Dプリンターを用い、工場生産の自動化を行った例としては、中国の博理科技社が挙げられる。
生産フローをクラウド経由で制御できるため、現地での人手が不要となり「ダークファクトリー(照明が不要な工場)」を実現した。また、クラウドを活用することで生産性の向上にも成功している。
博理科技社については、過去にShareLabNEWSでも詳しく取り上げているので参照してほしい。
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