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ドイツVDMA、AM企業アンケート結果公表 厳しい市場環境でも、顕著な安定性

VDMAのプレスリリース。

「当協会の会員企業は、現在の非常に厳しい市場環境においても、顕著な安定性を示している」と、VDMAのAM作業部会の事務局長であるマルクス・ヘーリング博士は述べた。厳しい状況にもかかわらず、秋の調査では全体のわずか35%の企業が売上減少を報告していることが明らかになった。VDMA(Verband Deutscher Maschinen- und Anlagenbau e.V.)は、ドイツおよびヨーロッパの機械・プラントエンジニアリング企業約3,600社で構成される業界団体である。1892年に設立され、現在はフランクフルト・アム・マインに本部を置いている。(上部画像はVDMAのプレスリリース。出典:VDMA)

AM業界は成長を見込む

楽観的な見通しは引き続き高い水準にあり、今後24か月間の展望について、回答者の65%が国内市場での成長を期待している。輸出に関しては、春の調査では68%が増加を予想していたが、今回はそれでもなお58%の会員企業が増加を見込んでいる。

EU27か国は会員企業の約4分の3にとって最も重要な輸出地域であり、次いで米国(69%)、EU非加盟のヨーロッパ諸国(33%)が続く。最も影響力のある競争相手は中国と米国に位置し、回答者の43%が中国のAM企業と、36%が米国の企業との競争を感じている。

投資の慎重姿勢が強まる

成長が見込まれる一方で、企業は依然として厳しい経済状況を受け、現在投資に慎重な姿勢を取っている。来年、積極的に投資を増やす予定の企業は27%にとどまり、AM事業に最もポジティブな効果をもたらすのは、68%が期待する新しい用途の開拓と、52%が注目する新しい市場の開拓である。また、強化された研究開発(R&D)およびマーケティング活動による効果についても、全体の20%の企業が今年中にポジティブな刺激を期待している。

「ここに焦点を当てることができる。私たちの作業部会は、積層造形のプロセスおよびバリューチェーンに沿った製品やサービスを提供する多様なプレーヤーを結集している」とヘーリング博士。会員企業の構成は非常に多様であり、AM装置の提供者やそのサプライヤー、ポストプロセスの専門家、AMサービスプロバイダー、自社利用向けのAM部品製造者が参加しているほか、専門的なコンサルティング、研究機関、ソフトウェアや材料の供給者も含まれている。しかし、AM業界が改善の必要性を感じている分野については概ね一致している。

共同の意見交換がAM技術のさらなる発展を促進する

AMの競争力を高めるためには、コスト水準の改善に取り組む必要がある。また、新たな用途を見出し、特に量産を見据えた新技術を開発することが求められている。ここで自動化は非常に重要な役割を果たすだろう。市場での受け入れを促進するためには、AMプロセスの安定性と再現性の向上にも引き続き注力する必要がある。

VDMAのAM作業部会には、金属、プラスチック、セラミックの分野で活動する製造業者およびユーザーが参加しており、量産製品、プロトタイプ、組立補助具などの製造に、直接法および間接法のAM技術を活用している。AMプロセス全体にわたる意見交換において、各参加者がそれぞれの視点、経験、課題を共有することにより、直面する課題への理解が深まり、プロセス全体にわたる開発の必要性への認識が高まる。産業用積層造形の実現に向けて、業界が共通の技術目標やマイルストーンに合意するためには、参加者同士の定期的な専門的意見交換が欠かせない。

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