3Dプリント部品の精度を向上させる新ソフトウェア「Live Inspect™」を発表 ― Desktop Metal社
Desktop Metal社は、新しいソフトウェア「Live Inspect™」を発表した。3Dスキャンを分析し、印刷部品の誤差を補正することで、3Dプリント部品の精度を向上させる。「Live Inspect™」は、金属バインダージェット3Dプリント技術における「Live Sinter™」ソフトウェアの機能を強化し、ポリマー部品や砂型鋳造コアの問題にも対処する。様々な材料とプロセスにわたって、より高精度な部品の製造が可能となる。（上部画像はDesktop Metal社のプレスリリース。出典：Desktop Metal社）
Live Inspect™の概要
今回、新たに発表された「Live Inspect™」は、3Dプリント部品の精度向上を目的としたソフトウェアである。3Dプリント技術は、製造業において急速に普及しているが、その中でも部品の精度管理は常に課題となっている。「Live Inspect™」は、この問題に対処するために開発された、Desktop Metal社のLive Suiteソフトウェアパッケージの一部として提供される新しいツールである。
精度向上の仕組み
主な機能は、3Dスキャンデータを用いた誤差の分析と補正である。まず、3Dスキャナで取得された部品のデータを詳細に解析し、設計データと比較して誤差を特定する。次に、幾何公差（GD&T）に基づいて、部品の特徴（例えば穴やスロット、平面）の位置や寸法を評価する。このプロセスにより、ユーザーは部品の製造過程で生じる微小なズレや変形を自動的に補正することができる。特に、複雑な形状や高精度が要求される部品に対して効果的であり、製造コストの削減と品質の向上を実現する。
「Live Sinter™」との統合
「Live Inspect™」は、Desktop Metal社の既存のソフトウェア「Live Sinter™」と密接に統合されている。「Live Sinter™」は、金属バインダージェット技術におけるシミュレーションと補正を行う強力なツールであり、部品の収縮や歪みを予測し、補正する機能を持つ。この統合により、ユーザーは3Dプリント部品の精度をさらに向上させることが可能となる。例えば、「Live Sinter™」が提供するシミュレーション結果を基に、「Live Inspect™」が実際のスキャンデータを解析、最適な補正を行うことで、部品の形状や寸法を正確に維持。また、他の材料やプロセスにおいても同様のアプローチで高精度を実現できる。
業界への影響と利便性
「Live Inspect™」の導入により、3Dプリント業界全体にも影響が予想される。まず、製造業者は高精度な部品を一貫して生産できるため、品質管理のコストと手間を大幅に削減でき、また、異なる材料やプロセスに対応する柔軟性が高まり、多様な製造ニーズに応えることが可能となる。さらに、リアルタイムでの誤差補正が可能となるため、製造サイクルの短縮やリードタイムの削減が期待されるところだ。
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