日本でも髭剃りなどでお馴染みのPHILIPS社(オランダ・アムステルダム)の「Fixables」は、Prusa Research社(チェコ共和国・プラハ)およびLePub Amsterdam社(オランダ・アムステルダム)、LePub Milan社(イタリア・ミラノ)との協力により、3Dプリント可能な交換部品を一般消費者が自由に利用できるようにすることで、持続可能性の概念を再定義する取り組みだ。製品のメンテナンスを創造的で循環型の解決策へと進化させるものである。以下にこの取り組みを紹介する。(上部画像はフィリップスのウェブサイトより。出典:フィリップス)
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「Fixables」、PHILIPS社とPrusa Researchが共同開発
今回の「Fixables」は、持続可能性の新たな在り方を提示する画期的な取り組みである。本取り組みでは、Philips Personal Health製品の一部アクセサリーに関する3Dプリント可能なデータを一般消費者に広く公開し、品質を損なわずに製品をメンテナンスできるようにすることで、ブランドの循環型モデルをさらに強化することを目指す。
「Fixables」は、消費者の「修理して使い続けたい」という明確なニーズに応えるものだ。PHILIPS社の高い技術基準と、世界中のメーカーコミュニティの創造力を融合させることで、ユーザーに修理の選択肢を提供する。Prusa Research社の確立されたネットワークやツールを活用し、クリエイティブで循環型の解決策を幅広い層に広げ、新たな消費者層の関心を喚起することを目指している。
製品の長寿命化を支えるデジタルライブラリーと「Fixables」プラットフォーム
取り組みの中核を成すのは、選定されたPHILIPS社製品向けの3Dプリント可能な交換部品のデジタルライブラリーであり、誰でもアクセスできる形で公開される予定である。この「Fixables」プラットフォームは、製品の長期使用による自然な摩耗に対応できるよう設計されており、ユーザーが小さな部品を簡単に交換して製品の性能を維持できるよう支援する。
新たな交換部品は今後も継続的にプラットフォームに追加され、Printables.comを通じてユーザーが自宅や認定Fixablesパートナーで部品をダウンロード・印刷できるようになる。初期のパイロットプログラムはチェコ共和国で開始され、すべての人がアクセス可能なグローバルサイトでサポートされ、順次市場拡大が予定されている。
修理文化を世界に発信
「Fixables」キャンペーンは、グローバルなコンテンツプラットフォームを通じて展開され、PRフィルムはプラハでStillking Filmsにより撮影され、CGIアセットはミラノのBAX Studioで開発された。キャンペーンでは、実際のメーカーやフィリップスユーザーが自分の製品を印刷、修理、再生していく様子を紹介し、Fixablesの核心にある創造性と自立を強調している。公式にプリント可能な部品のCGIデモを含むコンテンツが現在フィリップスのソーシャルチャンネルやメーカー向けプラットフォームで展開中だ。新たな世代が自らの手で修理に取り組むことを促している。
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