Formlabs社が自社製3Dプリンター向けの新素材を発表
アメリカに本社を置く3DプリンターメーカーのFormlabs社が自社の業務用SLS方式3Dプリンター「Fuse1」用の新素材を発表。ガラス繊維が配合されており、名称は「ナイロン12GFパウダー」。
新素材は自社製3Dプリンター「Fuse1」向けのもの
今回発表された新素材は昨年発売された業務用SLS方式3Dプリンター「Fuse 1」で使用するために開発された。SLS方式は、粉末状の素材にレーザーを照射して焼結させるもので、高精細かつ耐久性のある造形物を製作できるのが特徴だ。
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Fuse1は最終製品としても対応できるほどの精細さを持っている。高価格になりやすいSLS方式3Dプリンターにおいて、導入しやすい価格で、素材も低価格であることで注目を集めている。
「ナイロン12GFパウダー」はFuse1向け素材の1つ
今回発表された「ナイロン12GFパウダー」はFuse1向けとの素材として最新のものになる。しかし、ナイロン12GFパウダーだけがFuse1のために開発された専用素材というわけではない。これまでも「ナイロン11パウダー」や「ナイロン12パウダー」が開発されており、今後も展開は増える見込みだ。新しいほど高品質というわけではなく、それぞれに特徴がある。
Formlabs社によればナイロン11パウダーは高い延性と頑強さが求められる部品向けの素材で、ナイロン12パウダーよりも柔軟性と強度は高く、薄い造形が求められるものに適しているとのこと。
ナイロン12パウダーは強度と細かな造形力のバランスが取れた素材で、複雑な構造を持つものや、過酷な環境下で使用される高耐久性部品の生産に適した素材とされている。
そしてナイロン12GFパウダーはナイロン12パウダーを、ガラス繊維で強化しているため高い剛性と耐熱性が特徴だ。これにより、さらに過酷な環境での使用に耐えられる。
用途としては、高い強度が求められる固定具や交換部品、ねじ部を備えたパーツやソケットといった常に高い負荷がかかる箇所のパーツや、高温環境下に置かれるパーツが挙げられる。
Formlabs社のSLS製品マネージャーであるChris Haid氏は自社のFuse 1とナイロン12GFパウダーについて「Formlabsの材料、ハードウェア、ソフトウェアは、部品あたりのコストを最適化しながら最高の性能を実現するために、開発・検証されています。ナイロン12 GFパウダーは、ナイロン素材シリーズの新製品として、Fuse 1の既存の機能を基に、メーカー、エンジニア、製品設計者に、継続的な負荷と高温に耐える部品の設計、カスタマイズ、生産を可能にするものです」と述べた。
Formlabs社のFuse1は、業務用SLS方式3Dプリンターとして安価な部類に入る。新たな素材開発で使い勝手の良さも向上すれば、Fuse1を導入したいという企業も増えてくるだろう。今後の展開にも注目したい。
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