大型造形×最終製品製造に対応した新たな業務用3Dプリンターの日本販売が開始
中国の3DプリンターFLASHFORGE社の日本総代理店であるAPPLE TREE株式会社が、最終製品の製造まで対応した大型業務用3Dプリンター「Creator4」の販売を開始した。
FLASHFORGE社製の従来品と比べてバージョンアップされた変更点を含めた特徴について解説する。
「Creator4」はFLASHFORGE社の3Dプリンターの最上位モデル。「Creator4」はFFF方式(熱溶解積層方式)と呼ばれる、フィラメント状の樹脂を熱で溶かしながらノズルから押し出し、一筆書きのように樹脂を積み上げて造形物を作成する方式が採用されている。
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Creator4の特徴・従来品との変更点
Creator4が従来のFLASHFORGE社製3Dプリンターと比べて変更点が多くある。
まず造形できるサイズの大型化を実現された。造形サイズはW:400mm×H:350mm×D:500mmとかなり大型で、従来なら大型モデルの造形時に分割して造形が必要だったものも、一体化したまま造形可能だ。
また、3Dプリントするための素材を熱で溶かして送りこむエクストルーダーは、独立型でダイレクト方式となっている。エクストルーダーを左右独立させて稼働できるので、「左右対称のモデルを同時に造形する」「素材を組み合わせて色違いの造形をする」「左右でそれぞれ同じモデルを造形して生産効率を高める」といったことも可能だ。
エクストルーダーは工業用フィラメント対応・炭素繊維対応・軟性フィラメント対応の3種類が用意されており用途に合わせて使い分けられる。現在、3種類のエクストルーダーのうち、・軟性フィラメント対応の「EXTRUDER-F」については発売準備中。
Creator4のプリンティング素材として使用可能なのは約20種類。エクストルーダーによっては最大360℃まで加熱できる。そのため、スーパーエンジニアリングプラスチック(耐熱性・機械的強度が非常に高い高機能樹脂)の一部やカーボンファイバー、ナイロンといった素材であっても安定した造形が可能だ。
Creator4は庫内温度を高音にするヒートチャンバーが搭載されている。これにより庫内温度を最大65℃まで温められ、ABS樹脂のような収縮が大きい素材でも反りを起こさず安定した造形ができる。
さらに、オートキャリブレーション機能により、自動でプラットフォームの調整ができ、X軸Y軸にそれぞれ高精度なリニアガイドを搭載されているため、正確な位置決めをした状態でスタートできる。また造形後もスムーズな取り外しができるよう、柔軟性のある磁気プラットフォームが採用されている。
数々の工夫がなされたFLASHFORGE社製のCreator4は今後、大型の3Dモデル造形シーンで採用されていくだろう。
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