1. HOME
  2. 業界ニュースTOP
  3. 基礎知識
  4. 業務用3Dプリンターの価格帯

業務用3Dプリンターの価格帯

業務用3Dプリンターは、試作や治具製作から、製品に使用する部品の製作までさまざまな用途で使用されています。その機種は造形方式や使用する材料により各種あり、装置価格も大きく変わります。装置によって導入コスト、ランニングコストも変わるので、使用目的や製作したい製品に合わせて検討が必要です。造形方式、使用材料別に業務用3Dプリンターの価格帯について解説します。

業務用3Dプリンターの価格帯は?

業務用3Dプリンターの価格帯は、造形方式や使用する材料によって変わります。また、同じ造形方式であっても、造形できるサイズや精度によっても価格は違ってきます。造形方式によっては多くの付帯設備が必要であったり、使用する造形材料が大変高価であったり、導入コスト、ランニングコストに関しても違いが出てきます。

3Dプリンターの導入費用は装置価格+付帯設備

3Dプリンターの導入費用を考える際は、装置の価格と付帯設備の価格の両方を考える必要があります。材料押出方式の一つに分類されるFDM方式の樹脂3Dプリンターには、付帯設備がほとんど不要です。ですが金属粉を混錬させた材料フィラメントを造形できる機種で金属部品を造形しようとすると、脱脂装置や焼結炉が必要になります。また焼結炉を利用するために、電気容量の増設や消防検査で合格するための天井高、防火壁を備えるとなると工事費用や設備費用が追加で必要になります。導入して何を行うのかによって環境整備費用が追加で発生することをわすれてはいけません。

3Dプリンターの初年度費用は、導入費用+運用費用

予算を考える上で、忘れてはいけないのが、運用費用です。装置は稼働すると電気代がかかりますし、材料費もかかります。メーカーのサポートに費用がかかる場合もあるでしょう。

シェアラボ編集部が独自に聞いた印象では、装置本体価格の3割から5割程度の費用が、保守や材料費で発生すると回答する企業が多いようです。もちろん導入装置の造形方式、価格、利用する環境によって大きく異なってきます。事前にどれくらいの費用が発生するか、販売店やメーカーに事前に確認しておき予算化しておきましょう。

利用するうちに、手元にあると便利な備品もわかってきます。サイズや色が違うニトリルグローブや有機溶剤用の防毒マスクなどの安い備品もあれば、研磨用のブラスト装置や、サポート除去に使う水溶性サポート材の専用攪拌装置などの装置を追加する場合もあるでしょう。初年度は1割程度ゆとりをみるとよいかもしれません。

3Dプリンターの装置価格はどれくらい?

今日、多くのメーカーが3Dプリンターを発売しています。3Dプリンターの装置価格としてイメージに近いのが、パソコンやプロジェクターです。材料押出方式や光造形方式の樹脂3Dプリンターの価格例をご紹介すると、「サポート対応も限定的でホビー用」(数万円~)、「遠隔で造形条件を確認しながらサポート対応してくれる」(数十万円~)、「高強度の材質を扱える」(100万円~数百万円)、「設置・試験造形など対応がしっかりしており、オンサイトサポートが見込める」(1,000万円~) などが一つの目安となってきます。

複数の業界関係者にヒアリングしたところ、産業用として最も多くの台数が売れているのは、数十万円台の機種で次いで、100万円以上数百万円程度の機種だと言うことです。数十万円の機種でも造形品質が非常に向上しているため、形状確認には十分利用できるために導入がすすんだのでしょう。また100万円以上の機種では、一定以上の強度を備えた部品を造形できようになります。アルミ同等の強度が実現できるということで、アルミ切削の治具をカーボンファイバー配合のナイロン材料に切り替える事例などが多くの製造現場で取り組まれたと言います。

それ以上の高級機種では、材料の多様性がある上に、造形精度が高いだけではなく、造形時の加工監視など精度の高いモノづくりに取り組むことが可能な機能が豊富になってきます。高いものは高機能で高精度なのですが、その分管理する機能が多くなるため、熟練が求められます。

造形方式から3Dプリンターを選ぶ

3Dプリンターを選択する上で検討する項目の1つに造形方式があります。方式により扱える材料や、仕上がりの表面形状などが異なってきます。また、サポート材の有無や、材料の再利用の可否など、ランニングコストに係わる点も異なります。

材料押出法/ MEX(FDM方式など)

材料押出法は、糸状(フィラメント)にした熱可塑性樹脂などの材料を加熱、溶融させ、ノズルから押し出して積層、固化することで造形していきます。現在の3Dプリンターでもっとも多く使われている造形法であり、多くの樹脂材料に対応可能です。近年では金属と樹脂を混ぜたフィラメントを用いて、造形後に樹脂を除去することで金属の造形を可能としたものもあります。
ホビー向けの装置でも使用されている方式であり、価格は他の方式と比較して安価です。装置価格は、100~200万円程度のものから、数千万円するものまで幅広くあります。

海外産FDM方式3Dプリンタ―の価格帯

RAISE(レイズ)、FLASHFOREGED(フラッシュフォージド)、XYZプリンティングなど数十万円から購入できる廉価帯のMEX機は人気で、2019年以降のシェアラボの聞き取り調査によると年々出荷台数を伸ばし、近年では毎年数千台規模での出荷があることがわかっています。市場のボリュームとしては100万円以下のMEX方式の3Dプリンターが最も多く流通している状況です。

造形領域の温度管理ができたりヘッド温度を高温に保つことでスーパーエンプラも造形できる機種などを扱うIMTAMSYS(インタムシス)やAON(イオン)の3Dプリンターも数百万円から販売があります。またカーボンファイバーを混錬したナイロン樹脂を利用できるMarkforeged(マークフォージド)も年間数千台の出荷があるといわれていますので、100万円~数百万円台になると機能の面で非常に優れた機種が登場している状態です。マークフォージドは材料がメーカー公認材料を使う限りは、造形管理用のソフトウェアで簡単に高精度・高強度の仕上がりが期待できるということで、毎年数千台の販売があるということです。

国産FDM方式3Dプリンタ―の価格帯

日本勢も最近元気になってきました。久宝金属工業や同社が技術提供しているグーテンベルグの国産3Dプリンターは非常に高精度な積層ピッチや高速な造形を可能にする機種を発売しています。100万円前後での装置性能の飛躍的な向上が起こっているので、初めの一台を購入する際に、検討してみることは有益でしょう。

MEX方式の装置は、設置面積(フットプリント)を確保し、電源とLANを接続すれば、使用できる機種がほとんどです。付帯設備もあまり必要としません。ただフィラメントは湿度に弱いので、保管庫で湿気を避けた保管を行わない場合、造形時にゆがみが生じる場合があります。また造形時に臭いが出るので換気が可能な部屋に設置するようにしてください。

価格帯サポート対応も限定的で原則ホビー用(数万円~)、産業用としてサポート対応がある(数十万円~)、高強度の材質を扱える(100万円~数百万円)、設置・試験造形など対応がしっかりしており、オンサイトサポートが見込める(1,000万円~)
付帯設備フィラメント保管庫、換気設備(簡易)
焼結させる場合、脱脂装置、焼結装置
代表メーカー樹脂:ストラタシス、マークフォージド、インタムシス、Raise3D、フラッシュフォージドなど
1m以上の大型造形:BigRepなど
金属: マークフォージド、デスクトップメタル などが脱脂・焼結し金属部品造形に対応。
材料押出法3Dプリンタ―の価格帯と代表メーカー

液槽光重合法/ VPP(光造形方式:SLA方式、DLP方式など)

光造形方式とも呼ばれる液槽光重合法。光硬化性樹脂に紫外線レーザー光などを照射することで必要な部分を硬化させ、積層させます。ガルバノミラーを用いて照射位置を調整して造形するSLA方式(Stereo Lithography)や、広範囲を一度に照射するDLP方式(Direct Light Processing)、安価なLCD光源を用いるLCD方式などの造形方式があります。全般的に滑らかで高精度な造形が可能です。

業務用3Dプリンターでは、小型のものだと数十万円から、大型のものでは1,000万円を超えるものもあります。光硬化性樹脂を保存する容器や、造形後に洗浄する設備が必要になります。二次硬化装置を用いて強度を増す機種や、熱処理を加えると物性が向上する材料を利用する機種も存在します。使用する材料によっては残存材料や洗浄溶液の排水について処理が必要です(多くの場合、未処理では下水に排水してはいけません)

小型光造形方式3Dプリンタ―の価格帯

数十万円台で販売されている卓上SLA方式のXYZプリンティングの3DプリンターPartPro150 xPや、100万円前後で販売されているフォームラブズのForm 3などが100万円以下の卓上産業用3Dプリンターとしては検討しやすいと思われます。廉価帯3Dプリンターは、産業用途ですが、宅配便で送られてくるケースも多いため、搬入設置時に業者による設置、動作確認がありません。初期不良などの可能性もありますので、センドバック方式の保守がついているものを選びましょう。

大型光造形方式3Dプリンタ―の価格帯

光造形方式でも大型の造形領域を確保したい場合は、税込み1,300万円前後で販売されているZRapidのSLA方式「ZRapid iSLA by B’full 880」が費用対効果に優れているかもしれません。販売元の B’full 社はフィギュアの3Dプリンター生産に取り組み実績を伸ばしているサービスビューロです。自社でも実際にZrapidの3Dプリンターを数十台規模で導入・運用している実績があります。装置は中国製ですが、量産ノウハウ、装置ノウハウを持つ国内企業の直接サポートを受けることができる点は期待が持てるでしょう。

ハイエンド光造形方式3Dプリンタ―の価格帯

よりハイエンドの光造形の機種という意味では、数千万円の機種になってきますが、D-MECの光造形装置は検討のし甲斐があるでしょう。透明度が非常に優れているという点で、複数のサービスビューロが導入し実際に運用しています。

ここまであくまで試作品用途という想定で例を挙げてきましたが、最終部品を光造形方式の装置で実現しようとしている装置もあります。その代表格がCarbonの3Dプリンターです。国内では樹脂メーカーJSRが総代理店を務めていますが、すでに国内で10例以上を超える公開事例を発表しています。海外ではアディダスの4Dシューズのミッドソールは実際にCarbonの3Dプリンターで量産されています。日本国内でも、眼鏡のJINSやスポーツ用ゴーグルのSWANS、産業用RFIDの生産を行うNittokuが最終部品製造に利用しています。

Carbonの3Dプリンターは3Dプリンター業界ではまだ珍しいサブスクリプション契約です。年間約700万円の3年契約で装置の利用とサポートが受けられるという形式です。Carbonが光硬化性の樹脂を使いながら最終部品に採用されている理由は、「光で造形し熱で強度を出す」という光硬化性樹脂と熱硬化性の樹脂を独自開発し、製品に取りいれている点が大きいと思われます。

光造形方式は樹脂造形だけの印象が強いのですが、材料に金属粉末やセラミックス粉末を配合し造形した後に脱脂焼成すると金属やセラミックス部品を造形することが可能です。ここでは特にセラミックス部品を造形できる3DプリンターとしてSKファインをご紹介します。価格は数千万円台ですが、独自にセラミックス粉末を混錬し、スラリー化した材料を造形できるということで、今後大きく注目される可能性があります。

価格帯LCD方式の小型機は数万円から。Form 3は100万円前後、Zrapid iSLAは税込み約1,300万円
Carbonは年約700万円の3年契約
付帯設備洗浄設備、二次硬化装置、有機溶剤の処理設備。
Carbonの場合熱硬化装置も利用。
金属・セラミックスの場合、脱脂装置・焼結炉
代表メーカー樹脂:3Dシステムズ、フォームラブズ、Carbon、Zrapidなど
セラミックス:SKファイン、新東Vセラミックスなど
液槽光重合法3Dプリンターの価格帯と代表メーカー

結合剤噴射法/ BJT(Binder Jetting)

結合剤噴射法は、粉末状の材料に対して、結合剤(バインダー)をノズルから噴射して固化させることで造形を行います。造形後は熱反応や化学反応を利用して固めます。樹脂や金属、砂や石膏が用いられ、樹脂や石膏の場合にはバインダーを着色することで、フルカラーの造形が可能です。砂は鋳造用の型の造形に用いられます。石膏は造形後の強度が低いので、ホビーや完成形状確認用のモデル製作などに用いられています。

装置価格は、金属を造形するものでは、数千万円から1億円程度のものがあります。造形後に焼結させる炉が必要になります。砂を用いるものは大型のものが多く、同じく数千万円から1億円程度になります。樹脂を扱うものは、500万円程度から3,000円程度まで各種あります。こちらも造形後の後処理のための装置が必要です。また、空調設備や材料の除去、再生設備なども必要になります。金属材料は樹脂と比較して高価です。

砂型3Dプリンターは数千万円以上するのですが、1日に100個の砂型を製造できるなどの機種が海外産、国産でも登場してきていますので、生産性の向上と複雑な形状の砂型の製造に大きく貢献するということで、船舶のエンジンや自動車でも量産技術として活用されている事例が存在します。

価格帯樹脂:数百万円台~
金属:数千万円台~
付帯設備防塵防爆設備
材料除去のブラスト装置
パウダーリサイクル装置
熱処理装置・焼結炉
代表メーカー樹脂:HP(MJT方式)、3Dシステムズ
金属:DesktopMetal、DigitalMetal、Exoneなど
砂型:EOS、シーメットなど
結合剤噴射法3Dプリンターの価格帯と代表メーカー

指向性エネルギー堆積法/ DED(Direct Energy Deposition)

指向性エネルギー堆積法は、レーザー(メタル)デポジションとも呼ばれます。粉末やフィラメント状の金属をレーザーや電子ビームなどで加熱、溶融し、積層する造形方式です。造形方式のバリエーションにはLENS方式(Laser Engineering Net Shape)、MPA方式(Metal Powder Application)、WAAM方式 (Wire and Arc Additive Manufacturing)などがあります。LENS方式はノズルから材料を噴射しながらレーザーで焼結し、モデルを造形していきます。

DED方式は主に金属の造形に用いられ、さまざまな金属の造形に対応可能です。装置価格は1億円から3億円を超えるものもあり、小型で低価格なものでも3000万円程度になります。また、設置には防火設備や特殊な空調設備が必要な場合があり、材料に使用する金属は特殊なものが多く比較的高価です。

価格帯金属:数千万円台~
付帯設備消防法対応(防火壁、一定以上の天井高)
防塵防爆設備、不活性ガス管理
代表メーカー金属:日本電産マシンツールズ、ニコン、三菱電機(WAAM)など。
指向性エネルギー堆積法3Dプリンタ―の価格帯と代表メーカー

粉末床溶融結合法/ PBF(Power Bed Fusion)

粉末床溶融結合法(別称:パウダーベッド方式)は、敷き詰めた粉末材料の指定された部分にレーザービームや電子ビームを照射することで断面部分を焼結する造形方式です。ビームの種類や扱える材料により、MJF方式(Multi Jet Fusion)、SLS方式 (Selective Laser Sintering)、SLM方式 (Selective Laser Melting)、EBM方式 (Electron Beam Melting)などの造形方式があります。金属、樹脂、セラミックなどの材料が使用可能です。

価格は数千万円から2億円程度まで各種あります。樹脂を造形する比較的小型のものならば、500~1,000万円程度のものも。粉末が外部へ飛散しないようにする防塵・防爆設備、材料粉末のリサイクル設備なども必要です。

価格帯金属:数千万円台~
樹脂:数百万円台~
付帯設備防塵防爆設備、不活性ガス用の設備、パウダーリサイクル装置
代表メーカー樹脂:EOSアスペクトXYZプリンティングFormlabsなど
金属:EOSSLMソリューションズなど
粉末床溶融結合法3Dプリンタ―の価格帯と代表メーカー

材料噴射法/ MJT(Material Jetting)

材料噴射法は、3Dプリンターのノズルからモデル材とサポート材をステージに噴射し、材料に応じて紫外線の照射や加熱、冷却することで硬化させ、複雑な造形物を高解像度・高精度にモデリングできる造形方式です。使用する材料や材料を噴射するノズルの違いにより、MJ方式(Material Jetting)、NPJ方式(Nano Particle Jetting)、DOD方式(Drop on Demand)など詳細な造形方式の区分があります。フルカラーの造形にも対応可能です。

装置価格は、小型のエントリーモデルならば200~300万円程度ですが、造形サイズが1,000mmに達するような超大型のものだと5,000万円から1億円ほどに及びます。1,000万円から3,000万円程度の装置も数多くそろっています。液体材料を利用するため独特の臭気があります。そのため空調設備や洗浄設備等が必要になり、大型の装置では設置場所の工事も必要です。

価格帯樹脂:数百万円~
付帯設備洗浄装置、空調装置
代表メーカー樹脂:ストラタシス、3Dシステムズ、ミマキエンジニアリングなど
材料噴射法3Dプリンタ―の価格帯と代表メーカー

シート積層法/ SHL(Sheet Lamination)

シート積層法は、紙や樹脂、金属などの薄いシート状の材料を、一層ずつその層の断面形状に合わせた輪郭線で切断し、設計した形状になるまで接合、積層を繰り返します。比較的新しい技術で、この方式を用いた機種は数少ないという状況です。

材料を硬化させる際に熱や紫外線などが不要です。100~200万円程度の装置があります。

材料から3Dプリンターを選ぶ

3Dプリンターを材料で選ぶ場合、大きく分けて「樹脂」「金属」「それ以外」の3カテゴリーに分けられます。

樹脂から選ぶ

3Dプリンターで扱える樹脂には、ABS樹脂、ABSライク、ASA、PC-ABS、PLA(ポリ乳酸)、PEI(ポリエーテルイミド)、ゴムライク、PA(ポリアミド)、PC(ポリカーボネート)、PP(ポリプロピレン)、PPライク、光硬化性樹脂(UV硬化樹脂)などがあります。金属を扱う3Dプリンターと比べ、樹脂のみを扱う業務用3Dプリンターは比較的安価です。

PAのように融点の高い樹脂はSLS方式(Selective Laser Sintering/粉末焼結積層造形)が多く用いられるので、他の樹脂よりも装置価格は高めになります。また、FDM(Fused Deposition Modeling/熱溶解積層方式)で造形が行える樹脂でも、融点の高いPCやPEIなどの樹脂に対応するためには、ハイエンドな装置が必要です。ABSライク、ゴムライク、PPライクのように、各樹脂と近い特性を持たせた紫外線硬化レジンがあるので、小型のものであれば比較的安価なVPP(Vat Photopolymerization/液槽光重合方式)の装置の導入もできます。

PLAは材料として安価で造形がしやすい材料ですが、強度や耐久性が低いので業務用として用いられることは少なく、ホビー向けの装置で主に用いられます。

金属から選ぶ

金属の3Dプリンターでは、ステンレス、インコネル、チタン、アルミニウム、コバルトクロム、マルエージング鋼、銅、タングステンなど、一般的に広く使われている金属から、特殊用途に使用されることが多い金属まで各種造形ができます。

造形できる3Dプリンターは、PBF方式(Powder Bed Fusion/パウダーべッド方式)、DED方式(Direct Energy Deposition/指向性エネルギー堆積法)などの方式が主に用いられ、装置価格は数千万円から1億円を超えるような物が多く、かなり高価です。導入における付帯設備も各種必要になる場合も多く、材料自体もレアメタルを含むようなものだとかなり高価になります。

金属を用いた3Dプリント技術は近年非常に注目されており、技術開発が日々進み、従来よりも低価格な装置も出てきました。造形サイズや素材、使用目的などを考慮して幅広く検討することが重要です。

他の材料から選ぶ

樹脂や金属以外の材料には、石膏や砂があります。主にバインダージェッティング(Binder Jetting(BJT)/結合剤噴射法)という造形方式が用いられています。石膏で造形する3Dプリンタ―はフルカラーに対応するかによって価格が変わります。砂用の業務用3Dプリンターは、鋳造用金型向けの物になります。大型のものが多く、数千万円から1億円程度になります。

まとめ

業務用3Dプリンターの価格帯は、造形方式や造形可能な材料の種類によっても幅があります。また、装置によって必要となる付帯設備もさまざまで、材料による価格にも差があります。用途や造形したい形状、素材などをよく考慮して検討する必要があります。また、付帯設備も含めた導入にかかる全体的なコスト、導入後のランニングコストも考慮して機種を選定することも重要なポイントです。

関連記事

最新記事

おすすめ記事