一般社団法人日本3Dプリンティング矯正歯科学会は、2026年7月19日(日)に「第5回学術大会」を東京・日本橋の野村コンファレンスプラザ日本橋6F 大ホールで開催する。テーマは「先端AM技術と独創的アイデアで拓く歯科医療革新」。矯正歯科を中心に、AM技術とデジタル歯科医療の最新動向を多角的に議論する。
近年、歯科医療分野では3Dプリンティング技術の導入が急速に進んでいる。患者ごとのカスタマイズ性や高精度なデジタル設計、院内製作による短納期化などを背景に、矯正歯科や補綴、歯科技工領域で活用範囲が拡大している。
今回の学術大会では、単なる技術紹介にとどまらず、「AMでしか実現できない歯科医療」をテーマに据え、工学、材料学、一般臨床、歯科技工など多分野を横断した議論を行う点が特徴となる。
目次
国内外の専門家がAM技術の歯科応用を講演
教育講演には、大阪大学大学院工学研究科 教授であり、日本AM学会 会長を務める中野貴由氏が登壇。骨基質配向性と金属AMを活用した最先端医療デバイスについて講演する予定だ。
また、九州歯科大学 生体材料学分野 教授の池田弘氏による、AM技術の基礎から歯科医療応用までを扱う講演も実施される。
依頼講演では、矯正歯科、歯周、補綴、歯科技工など各分野の専門家が参加。AM技術を活用した臨床応用やデジタルワークフロー、技工分野での実践事例などが共有される。
現在発表されている講師陣は以下の通り。
- 清水宏康氏
- 芳賀秀郷氏
- 崎原盛貴氏
- 吉田茂治氏
- 富田大介氏
- 千葉実氏
- 平岡孝文氏
- 間所睦氏
- 河村純氏
- 山口修二氏
また、パネルディスカッションのモデレーターは有本博英氏が務める。
前回大会ではOSAと3Dプリンティング矯正を議論
前回開催された第4回学術大会では、「New Cutting-Edge Orthodontic Treatment Using 3D Printing」をテーマに、Stanford University Sleep Medicine Division Clinical ProfessorのAudrey Yoon氏や、National Taiwan University Hospital Department of OrthodonticsのKelvin Wen-Chung Chang氏ら海外講師を招聘した。
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を含む矯正歯科領域の最新テーマが扱われたほか、国内でも3Dプリンティング技術を活用した臨床事例が多数共有され、歯科医療とAM技術の融合が注目を集めた。
第5回大会では、その流れをさらに発展させ、矯正歯科に限定しない“歯科医療全体の未来”を視野に入れた議論を展開する。
歯科医療DX時代に求められる「発想力」と「実装力」
3Dプリンティング技術は、単なるデジタル機器導入ではなく、歯科医療の設計・製造・診療そのものを変えつつある。
大会では、AM技術を臨床価値へ転換するための発想力、多分野連携による実装力、そして既存の常識を超える新しい歯科医療の可能性について議論される予定だ。
主催者は、本大会を「横断的思考に基づき、未来の歯科医療、矯正歯科について熱く語り合う機会」と位置付けている。
東京・日本橋というアクセス性の高い会場で開催される今回の学術大会は、歯科医療DXとAM技術の最前線を体感する場となりそうだ。
開催概要
- 名称:一般社団法人日本3Dプリンティング矯正歯科学会 第5回学術大会
- テーマ:先端AM技術と独創的アイデアで拓く歯科医療革新
- 日時:2026年7月19日(日)9:00~18:00
- 会場:野村コンファレンスプラザ日本橋6F・大ホール(東京・日本橋)
- 大会長:山口修二
- 大会実行委員長:平岡孝文
- 大会実行副委員長:間所睦
- 主催:一般社団法人日本3Dプリンティング矯正歯科学会
編集部コメント
歯科領域における3Dプリンティング活用は、マウスピース矯正や模型製作だけでなく、補綴、サージカルガイド、医療デバイスへと急速に広がっている。特に近年は、院内完結型のデジタル製造体制や患者ごとの個別最適化が現実的になりつつあり、AM技術は歯科医療DXを支える重要な基盤技術となっている。
今回の学術大会では、工学・材料・臨床を横断する構成が組まれており、「歯科×AM」の次のステージを示すイベントとして注目される。日本国内でも歯科領域のAM活用は今後さらに加速しそうだ。
用語解説
| ■ AM(Additive Manufacturing) 材料を一層ずつ積み重ねて立体物を製造する加工技術の総称。一般的には「3Dプリンティング」と呼ばれる。切削加工とは異なり、複雑形状や個別最適化製品を効率的に製造できる点が特徴。 |
| ■ 歯科医療DX デジタル技術を活用して歯科医療の診療・設計・製造・管理を高度化する取り組み。口腔内スキャナー、CAD/CAM、3Dプリンティングなどを組み合わせたデジタルワークフローの導入が進んでいる。 |
| ■ OSA(閉塞性睡眠時無呼吸) 睡眠中に気道が塞がることで呼吸が停止・低下する症状。近年は矯正歯科や口腔内装置との関連研究も進んでおり、歯科領域における新たな治療アプローチとして注目されている。 |
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