Formlabs、北米においてSLS方式3Dプリンター「 Fuse 1」の受注開始
米国マサチューセッツ州を拠点とする3DプリンターメーカーFormlabsは、2017年の発表以来発売が遅れていた同社初となるSLS方式3Dプリンター「Fuse 1」を正式リリースした。(画像は、Fuse 1および粉体除去システム「Fuse Sift」、Formlabs公式Webサイトより引用)
7年以上に及ぶ研究開発を経てリリースされた Fuse 1
SLA方式3Dプリンター市場のリーダーとして業界をリードしてきたFormlabs
約10年前にオリジナル3DプリンターForm 1を発表して以来、後継モデルとなる Form 2、Form 3 および Form 3L などの3DプリントシステムをリリースしてきたFormlabs。
大きなサイズの造形が可能であり、液体状の光硬化性樹脂 を紫外線レーザーで一層ずつ硬化させて積層していく方式であるSLA方式。同3Dプリンター市場のリーディングカンパニーがFormlabsと言えるだろう。
初採用となる粉末焼結積層造形(SLS方式)のFuse 1
粉末を焼き固めて鍛造に匹敵する強度を獲得するSLS方式を、同社初として備えているのが今回のFuse 1だ。以下、主な特徴をご紹介する。
一つ目は、ハードとソフトの設計の在り方だろう。印刷のセットアップから粉体回収まで、使いやすいハードウェアとソフトウェアは、造形プロセスの各ステップで効率を最大化するように設計されている。
二つ目に、セットアップと造形中の直感的なタッチUIによるガイダンスも見逃せない。同製品に付いているタッチスクリーンには、プリントベッドのライブストリームが表示されるため、新しい層が形成されるのを見ることができる。またこのカメラビューは、コンピューターからPreFormで利用できるため、デスクから離れることなくプリンティングの様子を見ることが可能だ。
三つ目に、特許出願中のSurfaceArmorテクノロジーを挙げる。部品の表面の周りに印刷する半焼結シェルを備えたFuse 1は、競合他社のシステムの法外なコストや手間をかけずに、競争力のある機械的特性と表面仕上げを提供が可能だ。
同製品の価格について、3Dプリンター単体だと$18,499(約190万円)ドルから。材料やソフトウエアなど完全なセットアップは、$31,845(約330万円)から、となっている。
また2月11日に、Formlabsのエンジニアを講師に、同製品のウェビナーが公開される。
実際に製品を使用した顧客であったり、Fuse1およびFuseSiftでの印刷方法ガイドなどが講演される。今回の英語での講演に加えて、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語での公開もされるようなので、興味のある方はぜひ以下ページからお申込みいただきたい。
粉体除去システム「Fuse Sift」およびナイロン12粉体材料もリリース
また同社は、「Fuse 1」システムを適切に運用するために必要な粉体除去システム「Fuse Sift」と、SLSのワークフローのあらゆる側面をカバーする独自のナイロン12粉体材料のラインアップも同時に発表している。
オールインワン粉末回収ステーションであるFuseSiftは、部品の抽出、粉末回収、保管、および混合を1つのデバイスに統合している優れものだ。無制限のサイクルで、最大70%のリサイクルパウダーで造形できる可能性を秘めている。また、使用済みの粉末と新しい粉末を自動的に分配および混合するため、廃棄物を減らし、粉末の供給を制御できるという環境にも配慮した製品となっている。
強度とディテールのバランスをとるNylon12 Powderは、機能的なプロトタイピングと、複雑なアセンブリおよび高い環境安定性を備えており、耐久性のある部品の最終用途生産にも対応できる優れた材料だ。同製品は、ヒューズ1で使用するために特別に開発された。
Fuse 1の基本スペック
項目名 | スペック内容 |
---|---|
ビルドボリューム | 165×165×300mm |
レイヤー厚 | 110ミクロン |
材料リフレッシュ率 | 30%~50% |
レーザータイプ | 1065nm ファイバーレーザー 10W |
レーザースポットサイズ | 200ミクロン |
接続 | イーサネット、Wi-Fi |
本体サイズ | 645×685×1070mm |
本体重量 | 114kg |
ソフトウェア | PreForm |
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