Bambu Lab、エンタープライズ対応の新型3Dプリンター「H2D Pro」を発表

2025年8月20日
Bambu Lab Blogより。

中国の3Dプリンターメーカー Bambu Labは、新型「H2D Pro」を3,799米ドル(約56万円)で発売した。本機は、ハイパフォーマンスかつ高温対応のアプリケーションに向けた、エンタープライズグレードのデュアルノズル3Dプリンティングソリューションである。(上部画像はBambu Lab Blogより。出典:Bambu Lab)

高温材料に対応する強力な造形性能

H2D Proは、350℃の高温ノズルと65℃のアクティブ加熱チャンバーを備え、適応型空気循環システムと組み合わせることで、PPA-CF、PPS、PPS-CFなどの先端エンジニアリング材料の性能を最大限に引き出す。これにより、強度・信頼性・寸法精度を兼ね備えた部品造形が可能となる。

さらに、デュアルノズル構成と「AMS 2 Pro」「AMS HT」による乾燥機能を活用し、多素材・多色の造形を安定的に行える点も特徴である。研究開発、小規模生産、教育など、要求の厳しい環境においてプロフェッショナル品質の造形を提供するとともに、エンタープライズ向けの統合性やセキュリティ、そして優れた総所有コストを実現している。

標準搭載される主要機能

H2D Proには、高い信頼性と精密性を支える以下の機能が標準搭載される。

  • スマートエアフロー制御付きのアクティブチャンバー加熱・冷却(65℃)
  • HRA 90硬度を誇るタングステンカーバイド製デュアルノズル(ガラス繊維・炭素繊維フィラメント使用時の寿命を約50%延長)
  • 高温造形時の安定性を高める強化型ツールヘッド冷却ファン
  • エンジニアリンググレードフィラメント対応の350℃高温ノズル
  • WPA2-Enterprise WiFiおよび有線LANポートによるエンタープライズセキュリティ
  • 「AMS 2 Pro」「AMS HT」を同梱したマルチマテリアルワークフロー
  • 5µm光学計測を行うビジョンエンコーダー(ビルド全域で50µm級の動作精度を実現)

エンタープライズセキュリティと拡張性

本機は、有線LAN(100Mbpsフルデュプレックス)とWPA2-Enterprise(EAP-PEAP/EAP-TLS/EAP-TTLS)に対応し、802.1Xによるネットワークアクセス制御をサポートする。また、Wi-Fi/Ethernetの物理キルスイッチや着脱式ネットワークモジュールを備え、企業のポリシーに応じた柔軟な運用が可能である。

拡張性の面では、標準ではレーザー/ブレード切削モジュールを同梱しないが、オプションとしてレーザー彫刻・カッティング機能を追加できる。

環境性能と安全性

環境面では、G3プレフィルタ、H12 HEPA、ココナッツ殻由来活性炭による三段階フィルタ構成を採用し、臭気や微粒子を大幅に低減する。換気が不十分な環境でも、安全性と快適性を確保する設計となっている。

統合管理と企業向けサポート

Bambu Labは、企業向けにワークフロー連携やプリンターフリート管理ツールの共同開発を支援する「Enterprise Integration Support」を提供している。また、クラウド不要でローカルネットワーク上の複数台を統合管理できる「Bambu Farm Manager」も展開中であり、H2Dシリーズへの対応は2025年Q4に予定されている。

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