ポーランドの3DプリンターメーカーZortraxが3Dプリンティングシステム「Powerful Trio」を発表
ポーランドの3DプリンターメーカーのZortrax社が、ドイツのフランクフルトで行われる3Dプリント関連の展示会「Formnext 2022」において、3種の機器からなる3Dプリントシステム「Powerful Trio」と、新作のUV硬化樹脂を発表した。(画像はZortrax社の3Dプリンター「Inkspire2」 出典:Zortrax社)
「Powerful Trio」を構成する3つの機器
Powerful Trioは、Zortrax社の3Dプリンター「Inkspire 2」と、それに付随する後処理装置の「Cleaning Station」、「Curing Station」の3つの機器で構成されている。Inkspire 2は産業用接着剤やコーティング材メーカーのHenkel社のLoctiteブランドやBASF Forward AM社といった世界有数のメーカーの高品質レジンに幅広く対応している。
Zortrax社は自社の3Dプリンターで造形し、Cleaning StationやCuring Stationで後処理を施した部品の特性が、樹脂メーカーが指定した値と同等またはそれ以上となることを保証するために、厳しいテストを行い、各ブランドに認定を受けている。
3Dプリンター「Inkspire 2」の特徴
Zortrax社のInkspire 2は、造形サイズが192x120x280(mm)の光造形3Dプリンターだ。
Inkspire 2は光造形方式の3Dプリンターの中でもLCD方式と呼ばれる造形の方法が採用されている。
LCD方式は面で紫外線を照射するタイプの3Dプリンターで、点で紫外線を照射するSLA方式に比べてスピーディな造形が可能だ。LCD方式は、液晶パネルのLCDパネルを用いて紫外線を照射する。
Zortrax社が独自に開発した最先端のライトエンジンは、プラットフォーム全体に同じレベルのUV照射を行えるため、造形するモデルをプラットフォームの中央に配置しても端に配置しても同じプリント品質を実現する。
「Cleaning Station」と「Curing Station」の特徴
Zortrax社のCleaning Stationは、UVレジンを素材として造形した3Dプリンターモデルの表面に付着した余分な未固化樹脂を除去する後処理装置だ。
Curing Stationは、3DプリントされたパーツにUV硬化を追加する後処理装置だ。レジンの強度と耐久性を高め、その後、出力品が変形する可能性を減らす役割がある。
Zortrax社は、Formnext 2022において、4Dモデルも展示した。これには、周囲の温度が一定値以下になると折りたたまれる構造や、電気的に動作が起動するといった3Dモデルの形状を変化させられる技術が活用されている。Zortrax社によれば、欧州宇宙機関との契約に基づいて、3Dプリンターで印刷した電気的に作動する動きを持つ最初のデモの成功例になるという。
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