パリ発のアクセサリーブランド「Roussey(ルセイ)」が3Dプリンター製アイテムの販売を開始
2020年にパリを拠点とするデザイナーYann Tosser-Roussey氏がスタートさせたアクセサリーブランド「Roussey(ルセイ)」が、3Dプリンターで作成したアイテムの販売を開始した。
自由で大胆なデザインは3Dプリントされたものだからこそ
今回販売が開始されたアイテムは、すべてECサイトの「SSENSE」上でのみ購入が可能だ。購入可能なアイテムはすべてバイオポリマーを素材としている。動植物由来の素材であるため生分解性が高く、環境に優しい。
独特なデザインで大きな存在感を示すアクセサリーは、ピアスやリング、チョーカーやネックレスといった幅広いラインナップを用意。デザイン性の高いアクセサリーの量産には、デザインデータを基に忠実に立体造形が可能な3Dプリンターが一役買っているのだろう。
ファッション業界でも活用され始めた3Dプリンター
3Dプリンターならではの性質を活かして、ファション業界でも盛んに3Dプリンターが導入されてきている。
2019年には世界の3Dプリントデザイナーとファッション通を結ぶオンラインプラットフォームの「Septem(セプテム)」がサービスを開始した。登録は3Dプリント可能なデザインデータを持つデザイナーなら誰でも可能で、購入者は気に入ったデザインから色や素材、サイズをセレクトし、オンデマンドで商品をオーダーする。
成立したオーダーについては、デザインデータを日本国内の3Dプリンターに送り、日本で3Dプリントされる。国を越えて商品をスムーズに手に入れられる画期的なシステムとして注目されている。
「Septem(セプテム)」については過去の記事でも紹介しているので参照してほしい。
また、デザイナーやブランドが国とタッグを組んで3Dプリントされたアイテム開発を行った例もある。ShareLabNEWSでも以前詳しく取り上げた、バッグブランドROCIOとスコットランド国立製造研究所(NMIS)のプロジェクトは記憶に新しい。このプロジェクトは持続可能な新しいハンドバッグの製造方法を模索していたROCIOにとって大きなメリットがあるものだった。
3Dプリンターは、既存の生産背景を後押しするだけでなくデジタル技術として今後ファッション業界になくてはならないものとなるかもしれない。
その高度なデジタル性ゆえに「3Dプリンターでなければ作れないもの」もますます増えてくるだろう。以下の記事のブーツヒールはその一例だ。
「Roussey」はすべてのアイテムが3Dプリンター製だ。ファッション業界は、既に3Dプリンターなしでは考えられない時代になっているのかもしれない。
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