Formlabsが3Dプリントを自動化する拡張機能「Automation Ecosystem」の国内向け発送の開始を発表
アメリカの3DプリンターメーカーFormlabs社が、自社のSLA方式3Dプリンター「Form3シリーズ」でのプリントを自動化するエコシステム「Automation Ecosystem」の国内向け発送を2023年4月中旬に開始することを発表した。同製品は今年の1月5日に米国ラスベガスで開催されたCESに合わせて発表されたことで注目を集めている。
「Automation Ecosystem」は「Form Auto」「Fleet Control」「High Volume Resin System」の3つの機能で構成されている。これら3つの機能を3Dプリンターに追加することで、3Dプリントに関わる多くの人的コストが削減できる。
(画像は自動化された3Dプリントの様子 出典:Formlabs社)
目次
「Automation Ecosystem」とは
「Automation Ecosystem」は、Formlabs社の3Dプリンター「Form3シリーズ」の自動化を実現する拡張機能だ。
「Form Auto」「Fleet Control」「High Volume Resin System」の3つの新製品で構成されており、これらを3Dプリンターに追加することでプリント業務を自動化することができる。
「Form Auto」でプリンターを常時稼働
「Form Auto」は、3Dプリンターで造形したモデルをオペレーターの操作なしに自動で取り出し、次の造形を行うための拡張機能だ。
Formlabs社の特許技術「クイックリリーステクノロジー」により、造形台のビルドプラットフォーム2から自動で造形品を取り出して次のプリントを開始する。Form Autoを導入すれば、24時間365日の連続稼働が可能になる。
Formlabsによれば、プリントできる点数は3倍以上になりつつも最大で80%の省力化になり、人件費を含むコストの大幅な削減につながるという。Form Autoは単体での購入も、3Dプリンターとあわせたパッケージ購入も可能だ。
「Fleet Control」で3Dプリンターの管理を一元化
「Fleet Control」は、3Dプリンターの既存ソフトであるプリント管理ソフトウェアのダッシュボードの拡張機能だ。
Fleet Controlを導入することにより、場所を選ばずにどこからでも自身のプリンターグループにアクセスでき、3Dプリント業務の一元管理が可能になる。
Fleet Controlは最適なプリンターに最適なタイミングでプリント指示を自動で割り当てられる管理センターの役割を果たす。プリンターの割り当てや指示が自動化できるので、どのプリンターにどの作業を行わせるかを考える必要がなくなる。
「High Volume Resin System」でカートリッジの交換頻度を低減
「High Volume Resin System」は、従来の5倍の容量がある大型カートリッジだ。
3Dプリントに使用するレジン(樹脂)は消耗品であるため、カートリッジが空になれば交換が必要になる。
レジンの容量が増えることでカートリッジの交換回数が減り、生産の効率化につながるだけでなく、容器の個数が減るため廃棄物の削減にもなる。
従来、人の手で行わなくてはならなかった3Dプリントに付随する業務の削減や自動化は、プリントオペレーターの仕事を奪うものではなく、他のクリエイティブな業務に時間をさけるようになることを意味する。
また、3Dプリントの自動化ができることを条件に、新たに3Dプリントを導入する企業も増えてくるだろう。3Dプリンターで何を印刷するかだけでなく、3Dプリンターをどのように活用するかも重要な課題となっている。
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