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チューリッヒ工科大、太陽炉の生産性を上げる3Dプリント手法を開発

3Dプリントされた構造体のイメージ

スイスのチューリッヒ工科大学の複合材料学部と再生可能エネルギー源学部の研究者が、太陽炉用に階層的に配列された形状のセラミック構造を製造するための3Dプリント手法を開発した。このプロジェクトは、スイス連邦エネルギー省の資金援助により実現した。(上部画像は3Dプリントされた構造体のイメージ。出典:チューリッヒ工科大学)

3Dプリントでカーボンニュートラルに貢献

チューリッヒ工科大学の研究グループが、3Dプリントしたセラミックスから太陽炉コアを製造することに成功した。太陽炉とは、太陽光を集めて空気および太陽光からの水と二酸化炭素をエネルギー源として使用し、航空用などの液体燃料を生成するもののことをいう。化学燃料を必要としないため、クリーンなエネルギー発生源として注目されている。

チューリッヒ工科大学のエンジニアは、太陽光と空気から液体燃料を生成する技術を開発しており、2019年には実証にも成功している。太陽光と空気から生成される液体燃料は、燃焼時に発生する二酸化炭素量が、燃料生成時に空気から採取された二酸化炭素量と同じになる。空気から得た二酸化炭素と、燃焼によって生まれる二酸化炭素量が等しく、カーボンニュートラルとなる。

チューリッヒ工科大学発のベンチャー企業であるClimeworks社と Synhelion社は、このテクノロジーの開発と商品化をさらに進めているという。

3Dプリントされたセラミック構造(左)と太陽炉(右)
3Dプリントされたセラミック構造(左)と太陽炉(右)(出典:チューリッヒ工科大学)

今回、研究チームが開発した3Dプリント手法は、太陽炉内の部品製造に用いて液体燃料の生成を効率化するもので、従来の設計に比べて2倍の量の燃料が生成できるとしている。

3Dプリンターで造形される部品はセラミック構造で、特別に開発されたペーストを押し出して成型される。押し出されたペーストは、可能な限り反応性の高い材料を得るため、大量の酸化セリウム粒子で構成され、太陽炉の生産効率の最大化につなげている。

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