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NASA、新技術開発のために中小企業に資金提供を実施

NASAによる中小企業支援の取り組みの告知ページ

NASAは、宇宙飛行士の健康保護や宇宙船への衝突損傷リスク低減などを目的とした新技術開発のために、200以上の中小企業チームに資金を提供する「中小企業イノベーション研究 (SBIR) 」および「中小企業技術移転 (STTR) プログラム」を展開。その中には3Dプリンティング技術を活用した取り組みも含まれる。写真はNASAによる中小企業支援の取り組みの告知ページ(画像出典:NASA)

NASAの中小企業支援による技術開発の取り組み

NASAは、249の中小企業と39の研究機関から、第1ラウンドの資金提供のために300の提案を選出した。各提案チームは、イノベーションのメリットと実現可能性を確立するために15万ドルを受け取る。政府機関の総投資額は 4,500万ドルになる見込みだ(今年のSBIR 受賞者STTR 受賞者)。

ワシントンにあるNASA本部の宇宙技術ミッション総局(​​STMD)の初期段階イノベーションおよびパートナーシップ担当ディレクターのジェン・ガスティティック氏は、「NASA​​は我が国の航空宇宙エコシステムの成長において重要な役割を担っています」「これらの初期段階の中小企業賞を通じて、私たちはより多くのイノベーターをこの成長分野に招待し、NASAでの使用だけでなく商業的影響を与えるために彼らの技術を成熟させるのを支援します」と述べている。

選出企業の約30%がNASA SBIR/STTR を初受賞

選出された企業の一つに、ワシントン州スパナウェイに本拠を置く企業HyBird Space Systems LLCがある。同社は、軌道上のデブリ(人工物)による宇宙飛行計画への潜在的リスクを軽減するNASAの取り組みを支援していることからSBIR賞に選ばれた。選出企業の中には、3Dプリンティング技術を活用した24の企業も含まれる。ここではその中から2つのプロジェクトをご紹介しよう。

Smallsat Deorbit 用の 3D プリントされたハイブリッド推進システム

HyBird Space Systems は、ワシントン州スパナウェイに拠点を置く 退役軍人が起業した会社で、宇宙船の軌道離脱用のレトロブレーキ推進システムRT-5X を3Dプリンティング技術を活用して開発している。RT-5X は、地球周回軌道上のデブリを制御し、地球圏に再突入させ低コストで処分するデブリ予防ソリューションとして活用できそうだ。

積層造形エレクトロニクスを活用し、高度な集積回路の相互接続方式の研究

デイトナビーチにあるシペリオ航空大学とエンブリー・リドル航空大学は、温度変化に耐えられる信頼性の高い相互接続(電子回路内の異なる部品間の接続)を設計するために、

積層造形エレクトロニクス(AME)技術を使用している。AMEを活用することで製品の耐久性と堅牢性を向上させることが期待されており、潜在的な用途としては、衛星エレクトロニクス、ウェアラブル監視デバイス、生物医学機器などが挙げられるという。

こうした新技術育成の取り組みの中で3Dプリンティング技術活用も進んでいく。助成金や補助金による産業育成の参考として日本も学べる点があるかもしれない。

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